
IPv4 over IPv6とは、従来のIPv4通信をIPv6ネットワーク上で実現する技術で、インターネット接続の速度向上や安定性の改善が期待できる仕組みです。この記事では、IPv4 over IPv6の基本的な概念から技術的な仕組み、実際の設定方法まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
従来のIPv4接続と比較して通信速度が向上する理由、ネットワーク混雑を回避できるメカニズム、そして実際にご自宅で設定する際の手順や対応機器の選び方についても詳しくご紹介します。また、IPv4 over IPv6を利用する際に発生しがちな問題とその対処法についても具体的に説明しているため、この記事を読むことでIPv4 over IPv6について包括的に理解し、実際に導入・運用できるようになります。
1. IPv4 over IPv6の基本概念
1.1 IPv4 over IPv6とは何か
IPv4 over IPv6とは、従来のIPv4通信をIPv6ネットワーク上で実現する技術のことです。この技術により、IPv4のアドレス枯渇問題を抱える現在のインターネット環境において、IPv6の豊富なアドレス空間を活用しながら既存のIPv4サービスを継続利用できるようになります。
具体的には、IPv4パケットをIPv6パケットの中に包み込んで転送する仕組みで、カプセル化技術とトンネリング技術を組み合わせた通信方式となっています。この方式により、利用者は既存のIPv4対応機器やソフトウェアをそのまま使用しながら、IPv6ネットワークの恩恵を受けることができます。
IPv4 over IPv6は、主にプロバイダー側で提供されるサービスとして実装されており、家庭用のルーターやパソコンでは特別な設定を必要とせずに利用できる場合が多いのが特徴です。
1.2 従来のIPv4接続との違い
従来のIPv4接続とIPv4 over IPv6接続には、いくつかの重要な違いがあります。
| 項目 | 従来のIPv4接続 | IPv4 over IPv6接続 |
|---|---|---|
| 使用プロトコル | IPv4のみ | IPv6上でIPv4を運用 |
| アドレス割り当て | グローバルIPv4アドレス | IPv6アドレス+IPv4カプセル化 |
| ネットワーク経路 | IPv4専用経路 | IPv6経路を利用 |
| 混雑状況 | 混雑しやすい | 比較的空いている |
| 通信速度 | 混雑時に低下 | 安定した高速通信 |
最も大きな違いは、通信経路がIPv6ネットワークを使用することで、従来のIPv4ネットワークの混雑を回避できるという点です。特に夜間や休日などのインターネット利用者が集中する時間帯において、その効果を実感できるでしょう。
また、IPv4アドレスの枯渇問題に対する根本的な解決策として位置づけられており、将来的なIPv6完全移行への橋渡し的な役割も担っています。プロバイダー側でのアドレス管理も効率化され、より安定したインターネット接続環境の提供が可能になります。
1.3 IPv6との関係性
IPv4 over IPv6とIPv6の関係は、IPv6を基盤技術として活用しながらIPv4互換性を保つ共存関係にあります。IPv6は次世代インターネットプロトコルとして開発されましたが、既存のIPv4環境からの完全移行には時間がかかるため、この技術が重要な役割を果たしています。
IPv6ネットワークは128ビットのアドレス空間を持ち、事実上無限のIPアドレスを提供できます。この豊富なアドレス空間を背景として、IPv4 over IPv6では以下のような仕組みでIPv6を活用しています。
まず、利用者の機器から送信されるIPv4パケットは、プロバイダー側の機器でIPv6パケットとして再カプセル化されます。このとき、IPv4の送信先情報はIPv6アドレス内に埋め込まれ、IPv6ネットワーク経由で目的地まで転送されます。
目的地では再びIPv4パケットとして復元され、最終的な配信が行われます。この一連のプロセスにより、利用者は従来通りIPv4でWebサイトやオンラインサービスにアクセスできながら、実際の通信はIPv6ネットワークの高速性と安定性を享受できるのです。
この技術により、IPv6への段階的な移行が可能となり、インターネット全体の近代化と効率化が推進されています。家庭用パソコンや業務用サーバーにおいても、IPv6対応機器の普及とともに、より快適なインターネット環境の実現が期待されています。
2. IPv4 over IPv6の技術的仕組み
IPv4 over IPv6は、従来のIPv4通信をIPv6ネットワーク上で実現するための技術です。この技術により、IPv4アドレスが不足している状況でも、既存のIPv4サービスを継続して利用できるようになります。ここでは、IPv4 over IPv6の核となる3つの技術的要素について詳しく解説します。
2.1 カプセル化技術の原理
カプセル化技術は、IPv4パケットをIPv6パケットの中に包み込んで送信する技術です。この仕組みにより、IPv4の通信データをIPv6ネットワーク上で透過的に転送することが可能になります。
カプセル化の基本的な流れは以下のようになります。まず、ユーザーの端末から送信されたIPv4パケットが、プロバイダーのゲートウェイ装置に到達します。次に、ゲートウェイ装置がこのIPv4パケットをIPv6ヘッダーで包み込みます。そして、IPv6ネットワークを通じて宛先まで転送され、最終的に宛先のゲートウェイ装置でIPv6ヘッダーが除去され、元のIPv4パケットが復元されます。
| 処理段階 | データ形式 | 処理内容 |
|---|---|---|
| 送信側 | IPv4パケット | ユーザー端末からの通常のIPv4通信 |
| カプセル化 | IPv6(IPv4) | IPv4パケットをIPv6ヘッダーで包装 |
| 転送 | IPv6パケット | IPv6ネットワーク上での高速転送 |
| 脱カプセル化 | IPv4パケット | IPv6ヘッダーを除去して元のIPv4を復元 |
この技術の最大の利点は、ユーザー側での特別な設定が不要である点です。既存のIPv4アプリケーションやWebサイトは、まったく変更することなく利用できます。
2.2 トンネリング方式の詳細
IPv4 over IPv6では、複数のトンネリング方式が採用されており、それぞれ異なる特徴を持っています。日本国内で主流となっているのは、MAP-E方式とDS-Lite方式の2つです。
MAP-E(Mapping of Address and Port using translation – Encapsulation)方式は、IPv4アドレスとポート番号をIPv6アドレスにマッピングする技術です。この方式では、ユーザーごとに固定的なIPv4アドレスの一部とポート番号の範囲が割り当てられます。NTTコミュニケーションズのOCN光やソフトバンク光などで採用されています。
一方、DS-Lite(Dual-Stack Lite)方式は、IPv4アドレスを動的に共有する技術です。複数のユーザーが同一のIPv4アドレスを時間的に共有し、必要に応じてポート番号で区別します。ぷららやGMOとくとくBBなどのプロバイダーで利用されています。
| 方式 | アドレス割り当て | 特徴 | 主要プロバイダー例 |
|---|---|---|---|
| MAP-E | 固定的な部分割り当て | ポート制限があるが安定性が高い | OCN光、ソフトバンク光 |
| DS-Lite | 動的な共有 | 柔軟性が高いが一部制限あり | ぷらら、GMOとくとくBB |
どちらの方式も、従来のIPv4 PPPoE接続と比較して大幅な速度向上を実現できます。特に夜間や休日などの混雑時間帯において、その効果を実感できるでしょう。
2.3 アドレス変換メカニズム
IPv4 over IPv6におけるアドレス変換は、限られたIPv4アドレス空間を効率的に活用するための重要な仕組みです。この技術により、数百万のユーザーが少数のIPv4アドレスを共有しながら、個別の通信セッションを維持できます。
アドレス変換の基本原理は、NAT(Network Address Translation)技術を拡張したものです。従来のNATが単一のプライベートネットワーク内でのアドレス変換を行うのに対し、IPv4 over IPv6では、プロバイダーレベルでの大規模なアドレス変換を実施します。
具体的な変換プロセスは以下の通りです。ユーザーの端末から送信された通信は、まずローカルルーターでプライベートIPアドレスから一時的なアドレスに変換されます。その後、プロバイダーのCGN(Carrier Grade NAT)装置で、共有IPv4アドレスとポート番号の組み合わせに変換されます。最終的に、この情報がIPv6パケットにカプセル化されて送信されます。
この多段階の変換により、1つのパブリックIPv4アドレスで数千のユーザーセッションを同時に処理することが可能になります。ただし、この仕組みには一定の制約もあります。例えば、特定のポート番号を使用するアプリケーションや、外部からの直接接続を必要とするサーバーアプリケーションでは、追加の設定が必要になる場合があります。
アドレス変換の効率性を高めるため、多くのプロバイダーでは高性能なネットワーク機器を導入しています。これらの機器は、毎秒数百万のセッションを処理できる能力を持ち、ユーザーに快適なインターネット環境を提供しています。
3. IPv4 over IPv6を利用するメリット
IPv4 over IPv6は、従来のIPv4接続と比較して数多くのメリットがあります。特に通信速度の向上やネットワーク混雑の回避など、インターネット利用の快適性を大幅に改善する効果が期待できます。ここでは、IPv4 over IPv6を導入することで得られる主要なメリットについて詳しく解説します。
3.1 通信速度の向上効果
IPv4 over IPv6の最も顕著なメリットは、インターネット通信速度の大幅な向上です。従来のIPv4接続では、プロバイダーの網終端装置を経由する必要があり、この部分がボトルネックとなって通信速度が低下していました。
IPv4 over IPv6では、IPv6ネットワークを直接利用することで網終端装置を迂回し、より効率的な通信経路を確保できます。これにより、特に夜間や休日などのインターネット利用が集中する時間帯でも、安定した高速通信を維持することが可能になります。
実際の速度改善効果については、以下の表で従来接続との比較を示します。
| 接続方式 | 混雑時間帯の速度 | 通常時間帯の速度 | 速度安定性 |
|---|---|---|---|
| 従来のIPv4接続 | 10〜50Mbps | 100〜200Mbps | 時間帯により大きく変動 |
| IPv4 over IPv6接続 | 200〜500Mbps | 300〜800Mbps | 時間帯による変動が少ない |
この速度向上効果により、動画配信サービスの4K画質での視聴、大容量ファイルのダウンロード、リモートワークでのビデオ会議などが、従来よりもスムーズに行えるようになります。
3.2 ネットワーク混雑の回避
IPv4 over IPv6のもう一つの大きなメリットは、ネットワーク混雑を効果的に回避できることです。従来のIPv4ネットワークは多くのユーザーが利用しており、特に平日の夜間や休日には深刻な混雑が発生していました。
IPv6ネットワークは比較的新しい技術であるため、まだ利用者数が少なく、ネットワークリソースに余裕があります。IPv4 over IPv6では、このIPv6の空いているネットワークを活用することで、混雑を避けた快適な通信環境を実現できます。
具体的な混雑回避効果として、以下のような改善が期待できます。
- 平日19時〜23時の混雑時間帯でも安定した通信速度を維持
- 土日祝日の通信品質向上
- オンラインゲームでのping値改善
- 動画ストリーミングでの途切れやバッファリング時間の短縮
この混雑回避効果により、インターネットを利用する時間帯を気にすることなく、常に快適な通信環境でパソコンやスマートフォンを使用できるようになります。
3.3 コスト削減効果
IPv4 over IPv6の導入は、長期的な通信コストの削減効果も期待できます。まず、通信速度の向上により作業効率が改善され、時間あたりの生産性向上につながります。
企業や事業者の場合、リモートワークやクラウドサービスの利用において、安定した高速通信により以下のコスト削減効果が見込めます。
| 削減項目 | 削減効果 | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| 時間コスト | 20〜30%削減 | ファイル転送時間の短縮、動画会議の安定化 |
| 回線増強コスト | 専用線不要 | 既存の光回線で十分な速度を確保 |
| 機器更新コスト | 延命効果 | ネットワーク機器の負荷軽減による寿命延長 |
また、個人ユーザーにとっても、動画配信サービスでの画質向上や、オンラインゲームでの快適性向上により、追加のサービス契約や機器購入の必要性が減り、結果的にコスト削減につながります。
特に、パソコンを使った在宅勤務やオンライン学習において、通信環境の改善により集中力が向上し、学習効率や作業効率の向上という間接的なコスト削減効果も期待できます。IPv4 over IPv6は、初期設定こそ必要ですが、一度設定すれば追加費用なしでこれらのメリットを享受できるため、非常にコストパフォーマンスの高い技術といえます。
4. IPv4 over IPv6の設定方法
IPv4 over IPv6を利用するためには、プロバイダーの対応状況確認から始まり、適切な機器選択と設定作業が必要です。ここでは具体的な設定手順と注意点について詳しく解説します。
4.1 プロバイダーでの対応状況
IPv4 over IPv6サービスを利用する前に、契約しているプロバイダーがIPv4 over IPv6に対応しているか確認することが最も重要です。現在、多くの主要プロバイダーがこのサービスを提供していますが、対応状況や提供方式には違いがあります。
| プロバイダー種類 | 対応方式 | 申込み | 追加料金 |
|---|---|---|---|
| 光コラボ系 | MAP-E/DS-Lite | 必要 | 無料〜月額数百円 |
| フレッツ光系 | MAP-E/DS-Lite | 必要 | 無料〜月額数百円 |
| 独自回線系 | 独自方式含む | 自動適用多数 | 基本無料 |
プロバイダーによっては、IPv4 over IPv6サービスの申し込み手続きが必要な場合があります。また、一部のプロバイダーでは複数の接続方式を選択できるため、利用環境に最適な方式を選ぶことが重要です。
4.1.1 対応確認の手順
プロバイダーの対応状況は以下の手順で確認できます。まず、契約しているプロバイダーの公式サイトでIPv4 over IPv6サービスの提供状況を確認します。次に、カスタマーサポートに直接問い合わせて、具体的な申し込み方法や設定に必要な情報を取得します。
確認時には、使用している接続方式(MAP-E、DS-Lite、4rd/SAMなど)も併せて確認しておくことをお勧めします。この情報は後のルーター設定で必要になります。
4.2 ルーターの設定手順
IPv4 over IPv6を利用するには、対応ルーターでの適切な設定が不可欠です。設定方法は使用するルーターのメーカーや機種により異なりますが、基本的な流れは共通しています。
4.2.1 事前準備
設定作業を始める前に、以下の情報を準備しておきます。プロバイダーから提供される設定情報(ユーザー名、パスワード、接続方式など)、現在のネットワーク構成図、そしてルーターの管理画面にアクセスするためのIPアドレスとログイン情報です。
4.2.2 基本設定手順
まず、ルーターの管理画面にアクセスし、インターネット接続設定画面を開きます。接続方式として「IPv4 over IPv6」または「IPv6オプション」を選択します。プロバイダーから提供された認証情報を入力し、接続方式(MAP-E、DS-Lite等)を正しく選択します。
| 設定項目 | MAP-E方式 | DS-Lite方式 |
|---|---|---|
| 接続方式 | MAP-E | DS-Lite |
| 認証 | 不要 | 不要 |
| IPv6設定 | 自動取得 | 自動取得 |
| IPv4設定 | 自動設定 | トンネル経由 |
設定完了後は、ルーターを再起動して設定を有効化します。接続状況は管理画面のステータス表示で確認できます。正常に接続されている場合、IPv4とIPv6の両方で「接続済み」と表示されます。
4.2.3 詳細設定オプション
基本設定に加えて、より安定した通信のために詳細設定を行うことができます。DNSサーバーの設定では、プロバイダー提供のDNSまたは高速なパブリックDNSを選択します。ファイアウォール設定では、IPv6通信も考慮したセキュリティ設定を行います。
また、QoS設定を活用することで特定の通信を優先させることも可能です。オンラインゲームやビデオ通話を頻繁に利用する場合は、これらの通信を優先するよう設定することで快適な通信環境を実現できます。
4.3 対応機器の選び方
IPv4 over IPv6を利用するには、対応ルーターの選択が重要です。機器選択時には、技術的な対応状況だけでなく、利用環境や予算も考慮する必要があります。
4.3.1 必要な技術仕様
IPv4 over IPv6対応ルーターには、最低限以下の機能が必要です。IPv6に対応していることは当然として、MAP-EまたはDS-Lite方式への対応が不可欠です。また、十分な処理能力を持つCPUと、複数デバイスの同時接続に対応できるメモリ容量も重要な要素です。
| スペック項目 | 推奨仕様 | 理由 |
|---|---|---|
| IPv4 over IPv6対応 | MAP-E/DS-Lite対応 | プロバイダー方式に対応 |
| 無線LAN規格 | Wi-Fi 6対応 | 高速・多台数接続対応 |
| 有線LAN速度 | 1Gbps以上 | 光回線の速度活用 |
| CPU性能 | デュアルコア以上 | カプセル化処理の高速化 |
4.3.2 メーカー別の特徴
国内メーカーの製品は、日本のプロバイダー環境に最適化された設定機能を搭載していることが多く、設定の簡便性に優れています。海外メーカーの製品は、高性能・多機能な傾向にありますが、設定の複雑さや日本語サポートの充実度に差があります。
選択時には、利用予定のプロバイダーとの動作確認情報も重要な判断材料となります。プロバイダーの公式サイトや技術サポートで推奨機種を確認することで、設定トラブルを避けることができます。
4.3.3 導入時の注意点
新しいルーターを導入する際は、既存のネットワーク構成との互換性を事前に確認することが重要です。特に、企業環境や複雑なネットワーク構成を使用している場合は、IPv4 over IPv6の導入により一部の機能が制限される可能性があります。
また、ルーター交換作業は通信が一時的に停止するため、業務への影響を最小限に抑えるよう作業時間を調整することも大切です。設定完了後は、すべての接続デバイスで正常に通信できることを確認し、必要に応じてデバイス側のネットワーク設定も更新します。
5. IPv4 over IPv6で発生する問題と対処法
IPv4 over IPv6は優れた技術ですが、実際の運用では様々な問題が発生する場合があります。これらの問題を事前に把握し、適切な対処法を知っておくことで、快適なインターネット環境を維持できます。
5.1 接続不安定時の対処方法
IPv4 over IPv6接続で最も多く報告される問題は、接続の不安定さです。この問題は主に機器の設定不備や互換性の問題から発生します。
5.1.1 症状の確認方法
接続不安定の症状として、以下のような現象が現れます。
| 症状 | 具体的な現象 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 通信速度の低下 | 通常時より明らかに遅い | 速度測定サイトでの計測 |
| 断続的な切断 | 数分おきに接続が切れる | 連続ping テストの実行 |
| 特定時間の不安定 | 夜間帯のみ接続不良 | 時間別の接続ログ確認 |
5.1.2 基本的な対処手順
接続が不安定な場合は、以下の手順で問題を解決できる可能性があります。
ルーターの再起動を最初に試してください。電源を完全に切った状態で30秒間待機し、その後再度電源を投入します。この作業により、ルーター内部の設定情報がリセットされ、正常な接続状態に復帰する場合があります。
再起動で改善しない場合は、ルーターのファームウェア更新を確認してください。メーカーの公式サイトから最新版をダウンロードし、管理画面からアップデートを実行します。古いファームウェアではIPv4 over IPv6の処理に不具合が生じる場合があります。
5.1.3 プロバイダー側の問題対応
機器側の対処で改善しない場合は、プロバイダー側に問題がある可能性があります。契約しているプロバイダーのサポート窓口に連絡し、IPv4 over IPv6サービスの稼働状況を確認してください。
プロバイダーによっては、IPv4 over IPv6の設定を手動で調整する必要がある場合があります。サポート担当者から提供される設定値を正確にルーターに入力することで、問題が解決されます。
5.2 特定サイトにアクセスできない場合
IPv4 over IPv6環境では一部のウェブサイトやサービスにアクセスできない問題が発生することがあります。これは技術的な互換性の問題が主な原因です。
5.2.1 アクセス不可の原因
特定サイトにアクセスできない主な原因は、IPv6に対応していないサーバーやサービスとの通信において発生します。特に以下のようなケースで問題が生じやすくなります。
古いシステムを使用しているウェブサイトでは、IPv6プロトコルに完全対応していない場合があります。このようなサイトでは、従来のIPv4接続でのみ正常にアクセスできるため、IPv4 over IPv6経由でのアクセス時に接続エラーが発生します。
また、セキュリティ設定が厳格なウェブサービスでは、IPv6からのアクセスを制限している場合があります。企業の業務システムや金融機関のサイトで、このような制限が設けられていることがあります。
5.2.2 解決策と代替手段
アクセス不可のサイトが判明した場合、以下の方法で対処できます。
| 対処方法 | 設定場所 | 効果 |
|---|---|---|
| IPv4優先設定 | ルーター管理画面 | 特定サイトのみIPv4接続 |
| DNSサーバー変更 | ネットワーク設定 | 名前解決の改善 |
| プロキシサーバー利用 | ブラウザ設定 | 間接的なアクセス確保 |
最も効果的な方法は、ルーターの設定でIPv4優先接続を設定することです。これにより、問題のあるサイトに対してのみ従来のIPv4接続を使用し、その他のサイトではIPv4 over IPv6の恩恵を受けることができます。
5.3 オンラインゲームでの注意点
IPv4 over IPv6環境でオンラインゲームをプレイする際には、特別な注意が必要です。ゲームの種類や通信方式によっては、パフォーマンスに影響が出る場合があります。
5.3.1 ゲーミング環境での問題
リアルタイム性が重要なオンラインゲームでは、IPv4 over IPv6の処理による遅延が影響する場合があります。特に以下のようなゲームジャンルで問題が発生しやすくなります。
FPSゲームやMOBAゲームなど、1ミリ秒単位の反応速度が勝敗を左右するゲームでは、IPv4 over IPv6のカプセル化処理による微細な遅延が体感できる場合があります。プロゲーマーレベルの競技環境では、この遅延が致命的になることもあります。
また、P2P通信を使用するゲームでは、NATの処理方式の違いにより接続に問題が生じる場合があります。特に、プレイヤー同士が直接通信を行うタイプのゲームで、接続エラーやマッチング不良が発生することがあります。
5.3.2 ゲーミング向けの最適化設定
オンラインゲームを快適にプレイするための設定方法を説明します。
まず、ゲーミング用途ではIPv4接続の併用を検討してください。多くのゲーミングルーターでは、ゲーム通信のみIPv4接続を使用する設定が可能です。この設定により、一般的なウェブブラウジングではIPv4 over IPv6の高速性を活用し、ゲーム時は安定したIPv4接続を使用できます。
QoS(Quality of Service)機能を活用することも重要です。ゲーム通信を最優先に設定し、帯域幅を確保することで、安定したゲームプレイが可能になります。
また、ゲーム専用のポート開放設定を行うことで、接続の安定性が向上します。各ゲームタイトルで推奨されているポート番号を確認し、ルーターのポートフォワーディング機能で適切に設定してください。
5.3.3 プロバイダー選択の考慮点
ゲーミング用途でIPv4 over IPv6を利用する場合、プロバイダー選択も重要な要素です。ゲーミング向けのサービスを提供しているプロバイダーでは、IPv4 over IPv6とIPv4接続の使い分けができるオプションを提供している場合があります。
契約前に、使用予定のゲームタイトルでの動作実績を確認することをお勧めします。多くのプロバイダーでは、ゲーミング環境での接続テストサービスを提供しており、実際の環境での性能を事前に確認できます。
6. まとめ
IPv4 over IPv6は従来のIPv4通信をIPv6ネットワーク上でカプセル化して伝送する技術です。
この技術によりIPv4アドレスの枯渇問題を解決しながら、従来のIPv4サービスを継続利用できます。トンネリング方式を採用することで、IPv6の豊富なアドレス空間を活用し、ネットワーク混雑を回避して通信速度の向上を実現します。設定においては、対応プロバイダーの選択と適切なルーター設定が重要であり、特にオンラインゲームや特定サイトへのアクセスでは注意が必要です。IPv4 over IPv6の導入によりコスト削減と安定した高速通信が期待できるため、現代のインターネット環境において重要な技術となっています。
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