
DTMで音楽制作を始めたいけれど、VSTプラグインの選び方や使い方がわからず困っていませんか。
この記事では、VSTプラグインの基本概念から具体的な使い方まで、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。無料で使える高品質なおすすめプラグインを音源とエフェクトに分けて紹介し、DAWソフトへのインストール方法や実践的な操作方法も具体例とともにお伝えします。CPU負荷やライセンス管理など、使用する際の注意点もしっかり押さえることで、スムーズに音楽制作を始められます。この記事を読めば、VSTプラグインの基礎知識が身につき、今日から実際に音楽制作に活用できるようになります。
前回記事:初めての人が知るVSTプラグインについて|歴史・何に使うのかを分かりやすく解説
1. VSTプラグインとは
VSTプラグインは、DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)上で動作する追加ソフトウェアのことです。音楽制作において、楽器の音色を鳴らしたり、録音した音声を加工したりするために使用されます。VSTとは「Virtual Studio Technology」の略で、Steinberg社が開発した規格です。この規格により、異なるメーカーのプラグインでも、対応しているDAWソフトであれば自由に組み合わせて使用することができます。
DTM初心者の方にとって、VSTプラグインは音楽制作の可能性を大きく広げる重要なツールです。DAWソフトに標準搭載されているプラグインだけでも制作は可能ですが、VSTプラグインを追加することで、より多彩な音色や高品質なエフェクト処理が実現できるようになります。
1.1 VSTプラグインの基本概念
VSTプラグインは、DAWソフトウェアの機能を拡張するための外部プログラムです。パソコンにインストールし、DAWから読み込むことで使用できるようになります。プラグインという名前の通り、DAWに「差し込む」ようなイメージで機能を追加していきます。
VSTプラグインの最大の特徴は、DAWソフトの種類を問わず共通して使用できる互換性の高さにあります。
一度購入したり入手したりしたVSTプラグインは、Cubase、Studio One、FL Studio、Ableton Liveなど、VST規格に対応している様々なDAWで使用することが可能です。
VSTプラグインは、パソコンのCPUとメモリを使用して動作します。そのため、多くのプラグインを同時に使用したり、CPU負荷の高いプラグインを使用したりする場合には、ある程度のスペックを持ったパソコンが必要になります。音楽制作に適した性能のパソコンを選ぶことは、快適なDTM環境を構築するための重要なポイントです。
1.2 VSTプラグインの種類
VSTプラグインは、大きく分けて「音源系プラグイン(VSTi)」と「エフェクト系プラグイン(VSTfx)」の2種類に分類されます。それぞれ役割が異なるため、用途に応じて使い分けることが大切です。
| 種類 | 正式名称 | 主な役割 | 代表的な例 |
|---|---|---|---|
| 音源系プラグイン | VSTi(VST Instrument) | 楽器の音色を生成・再生する | シンセサイザー、ドラム音源、ピアノ音源、ストリングス音源 |
| エフェクト系プラグイン | VSTfx(VST Effect) | 音声信号を加工・処理する | イコライザー、コンプレッサー、リバーブ、ディレイ |
音源系プラグイン(VSTi)は、新しい楽器をDAWに追加するためのプラグインです。MIDIキーボードやマウスで演奏することで、様々な楽器の音色を鳴らすことができます。アコースティック楽器を録音することなく、パソコン上だけで多彩な楽器編成の楽曲を制作できるのが大きな利点です。
一方、エフェクト系プラグイン(VSTfx)は、既存の音声や音源の音質を変化させるためのプラグインです。録音したボーカルやギター、音源系プラグインから出力された音に対して、音量調整、音色補正、空間的な広がりの付与など、様々な加工を施すことができます。ミキシングやマスタリングの工程では、このエフェクト系プラグインを多用します。
近年では、これら2つの分類に加えて、MIDIエフェクトプラグインという種類も登場しています。これは音声信号ではなくMIDI信号を加工するプラグインで、演奏データそのものを変化させることができます。
1.3 VSTプラグインでできること
VSTプラグインを活用することで、音楽制作の幅が飛躍的に広がります。具体的にどのようなことができるのか、主な用途を見ていきましょう。
まず、音源系プラグインを使用することで、実際には所有していない楽器の音色をパソコン上で再現できます。高価なアナログシンセサイザーやグランドピアノ、オーケストラの各楽器など、本来であれば入手や録音が困難な音色も、VSTプラグインを使えば手軽に楽曲に取り入れることが可能です。特にDTM初心者の方にとって、少ない投資で多様な音色を扱えることは大きなメリットです。
次に、エフェクト系プラグインによる音質の向上や調整が挙げられます。録音した音声のノイズ除去、音量のばらつきを整えるコンプレッション、特定の周波数帯域を調整するイコライジング、臨場感を加えるリバーブやディレイなど、プロフェッショナルな音楽制作に欠かせない処理を行えます。これらの処理を適切に施すことで、素人っぽい音源をプロレベルの仕上がりに近づけることができます。
また、VSTプラグインには創造性を刺激する独特なエフェクトも数多く存在します。声を機械的に変化させるボコーダー、独特の歪みを生み出すディストーション、幻想的な空間を演出する特殊なリバーブなど、実験的なサウンドデザインにも対応できます。
さらに、VSTプラグインの多くはプリセット機能を備えており、初心者でも即座にプロフェッショナルなサウンドを得られる点も重要です。パラメータの意味が完全に理解できていなくても、プリセットを選択するだけで目的に近い音色やエフェクト効果を適用できます。慣れてきたら、プリセットをベースに微調整を加えることで、オリジナルのサウンドを作り上げていくことも可能です。
こうした多様な機能を活用するためには、VSTプラグインをスムーズに動作させられるパソコン環境が不可欠です。特に複数のプラグインを同時使用する場合や、高品質なサンプリング音源を扱う場合には、十分なCPU性能とメモリ容量が求められます。音楽制作に特化した高性能なパソコンを選ぶことで、創作活動に集中できる快適な環境が整います。
2. VSTプラグインの使い方の基本
VSTプラグインを実際に使い始めるには、DAWソフトへのインストールから基本的な操作方法まで、いくつかのステップを理解する必要があります。この章では、初心者の方がつまずきやすいポイントを踏まえながら、VSTプラグインの導入から基本操作までを分かりやすく解説していきます。
2.1 DAWソフトへのVSTプラグインのインストール方法
VSTプラグインをDAWソフトで使用するためには、まずパソコンにプラグインをインストールし、DAWソフトに認識させる必要があります。この作業は初心者の方にとって最初の難関となることが多いですが、手順を理解すれば決して難しいものではありません。
2.1.1 VSTプラグインのダウンロードとインストール
VSTプラグインは、メーカーの公式サイトや配布サイトからダウンロードできます。ダウンロードしたファイルは、インストーラー形式とZIP形式の2種類に分かれます。インストーラー形式の場合は、ダウンロードしたファイルをダブルクリックして実行し、画面の指示に従って進めるだけで自動的に適切な場所にインストールされます。
ZIP形式の場合は、まずファイルを解凍してから、中に含まれるDLLファイルやVST3ファイルを所定のフォルダに手動でコピーする必要があります。Windowsの場合、VSTプラグインは通常C:\Program Files\VSTPluginsやC:\Program Files\Common Files\VST3といったフォルダに配置します。Macの場合は、Macintosh HD/Library/Audio/Plug-Ins/VSTまたはVST3フォルダが標準的な配置場所となります。
2.1.2 DAWソフトでのプラグインスキャン
VSTプラグインをインストールしただけでは、DAWソフトで使用できません。DAWソフトにプラグインの存在を認識させるために、プラグインスキャンという作業が必要です。多くのDAWソフトでは、初回起動時や設定画面から手動でスキャンを実行できます。
| DAWソフト名 | プラグインスキャンの方法 |
|---|---|
| Cubase | スタジオ→VSTプラグインマネージャー→プラグインパスを追加→スキャン |
| Studio One | オプション→ロケーション→VSTプラグイン→スキャン |
| FL Studio | オプション→ファイル設定→プラグインマネージャー→検索 |
| Ableton Live | 環境設定→プラグイン→VSTプラグインフォルダを追加→再スキャン |
スキャンが完了すると、DAWソフトのプラグイン一覧に新しくインストールしたVSTプラグインが表示されるようになります。もし表示されない場合は、インストール先のフォルダが正しいか、DAWソフトがそのフォルダを参照する設定になっているかを確認してください。
2.1.3 インストール時のトラブルシューティング
VSTプラグインのインストールでよくあるトラブルとして、プラグインが認識されない、起動時にエラーが出るといった問題があります。これらの多くは、32bitと64bitの互換性問題や、必要なランタイムライブラリの不足が原因です。
最近のDAWソフトは64bit版が主流のため、32bit版のVSTプラグインは認識されないことがあります。プラグインをダウンロードする際は、必ず使用しているDAWソフトのbit数に対応したバージョンを選択してください。また、一部のプラグインはVisual C++再頒布可能パッケージなどのランタイムライブラリを必要とするため、これらが不足している場合はメーカーの公式サイトからダウンロードしてインストールする必要があります。
2.2 VSTプラグインの読み込み方
DAWソフトにVSTプラグインを認識させたら、次は実際にトラックにプラグインを読み込んで使用する方法を学びましょう。読み込み方はプラグインの種類によって異なります。
2.2.1 音源系プラグインの読み込み方
シンセサイザーやサンプラーなどの音源系VSTプラグインは、VSTインストゥルメントとして読み込みます。多くのDAWソフトでは、新規にインストゥルメントトラックを作成する際に使用したいプラグインを選択するか、既存のトラックのインストゥルメントスロットにプラグインを挿入します。
具体的な手順として、Cubaseの場合はプロジェクト→トラックを追加→インストゥルメントから目的のVSTプラグインを選択します。Studio Oneでは、トラックリストの空白部分を右クリックしてインストゥルメントを追加を選び、使いたいプラグインを選択します。音源系プラグインを読み込んだトラックは、MIDIデータを入力することで音を鳴らすことができます。
2.2.2 エフェクト系プラグインの読み込み方
イコライザーやコンプレッサー、リバーブなどのエフェクト系VSTプラグインは、オーディオトラックやインストゥルメントトラックのインサートスロットに読み込みます。インサートスロットは、トラックの信号が通過する際に処理を加える場所で、複数のエフェクトを連続して適用できます。
ミキサー画面やトラックのインスペクター部分にインサートエフェクトのスロットがあり、そこをクリックすることでプラグインの一覧が表示されます。目的のエフェクトを選択すれば、そのトラックの音にエフェクトが適用されます。エフェクトは上から順番に処理されるため、挿入する順序によって音の仕上がりが変わります。
2.2.3 センドエフェクトとしての使用方法
エフェクト系プラグインは、センドエフェクトとして使用することもできます。センドエフェクトは、複数のトラックから信号を送り、1つのエフェクトを共有する使い方です。特にリバーブやディレイなど、空間系エフェクトで使用されることが多く、CPU負荷の軽減とエフェクトの統一感を出すことができます。
センドエフェクトを使用するには、まずFXチャンネルやAUXトラックなどの名称で呼ばれる専用のトラックを作成し、そこにエフェクトプラグインを読み込みます。次に、エフェクトをかけたいトラックのセンドつまみを使って、FXチャンネルに信号を送る量を調整します。この方法により、原音とエフェクト音のバランスを個別のトラックごとに細かく調整できます。
2.3 VSTプラグインの基本的な操作方法
VSTプラグインを読み込んだら、次はプラグインの画面を開いて実際にパラメーターを操作する方法を理解しましょう。プラグインによって見た目や機能は異なりますが、基本的な操作方法には共通点があります。
2.3.1 プラグイン画面の開き方と基本構成
読み込んだVSTプラグインの画面を開くには、DAWソフトのミキサー画面やトラックインスペクターに表示されているプラグイン名をクリックします。すると、プラグイン独自のGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)が別ウィンドウまたはDAW内のパネルとして表示されます。
プラグインの画面には、音を調整するためのノブ、スライダー、ボタンなどのコントロール要素が配置されています。シンセサイザーの場合はオシレーター、フィルター、エンベロープといったセクションに分かれており、エフェクターの場合はスレッショルド、レシオ、アタックタイムなどのパラメーターが用意されています。
2.3.2 パラメーターの調整方法
VSTプラグインのパラメーターを調整する基本的な方法は、マウスでノブやスライダーをドラッグすることです。多くのプラグインでは、ノブを上下にドラッグすることで値を変更でき、より細かい調整をしたい場合はShiftキーを押しながらドラッグすると微調整モードになります。
数値を直接入力したい場合は、パラメーター名や数値表示部分をダブルクリックすることでテキスト入力が可能になるプラグインもあります。また、右クリックメニューからデフォルト値に戻す、MIDIコントローラーにアサインするといった追加機能にアクセスできることもあります。
| 操作方法 | 動作 |
|---|---|
| ノブやスライダーをドラッグ | パラメーター値の変更 |
| Shift+ドラッグ | 微調整モード |
| Ctrl+クリック(Mac:Cmd+クリック) | デフォルト値にリセット |
| ダブルクリック | 数値の直接入力 |
| マウスホイール | 段階的な値の変更 |
2.3.3 プリセットの活用方法
VSTプラグインには、プリセットと呼ばれるあらかじめ設定されたパラメーターの組み合わせが用意されていることが多く、初心者の方はまずプリセットを試してみることをおすすめします。プリセットは、プラグイン画面の上部やメニューバーにあるプリセット選択ボックスから選べます。
プリセットを使うことで、プロが作った音色設定をそのまま利用でき、パラメーターの役割や効果的な設定値を学ぶ教材にもなります。気に入ったプリセットを見つけたら、そこから少しずつパラメーターを変更して自分好みの音に調整していくという使い方が効率的です。
また、自分で調整したパラメーター設定は、ユーザープリセットとして保存することができます。保存方法はプラグインによって異なりますが、多くの場合はプリセットメニューからSaveやSave Asといった項目を選択し、名前を付けて保存します。よく使う設定をプリセット化しておくことで、次回以降の作業効率が大幅に向上します。
2.3.4 オートメーションの活用
VSTプラグインのパラメーターは、曲の進行に合わせて自動的に変化させることができます。この機能をオートメーションと呼び、時間軸に沿ってパラメーターの変化を記録することで、ダイナミックな音の変化を作り出せます。
オートメーションを記録する方法は、DAWソフトによって異なりますが、一般的にはオートメーションの書き込みモードを有効にしてから、再生しながらプラグインのパラメーターを操作します。操作した内容が自動的に記録され、次回再生時には同じ動きが再現されます。後から編集する場合は、DAWソフトのオートメーションレーンに表示される線をドラッグして調整します。
リバーブの深さを徐々に増やす、フィルターのカットオフを時間とともに開いていくといった表現は、オートメーションを使うことで簡単に実現できます。静的なミックスではなく、曲の展開に合わせて音が変化する立体的なサウンドを作るために、オートメーションは欠かせない技術です。
2.3.5 CPU負荷のモニタリング
VSTプラグインを使用する上で注意すべき点として、CPU負荷があります。特に高品質なプラグインや複雑な処理を行うプラグインは、多くのCPUリソースを消費します。DAWソフトには通常、CPU使用率を表示するメーターがあり、これを確認しながら作業することが重要です。
CPU負荷が高くなりすぎると、音が途切れたり、ノイズが発生したり、最悪の場合DAWソフトがフリーズしてしまうこともあります。このような場合は、バッファサイズを大きくする、使用していないプラグインをオフにする、トラックをフリーズして一時的にオーディオ化するといった対策が有効です。
DTM用のパソコンを選ぶ際には、VSTプラグインを快適に動作させるために十分なCPU性能とメモリ容量を備えたマシンを選ぶことが重要です。特に複数のプラグインを同時に使用するような作業では、高性能なCPUとSSDを搭載したパソコンが作業効率を大きく向上させます。
3. 初心者におすすめのVSTプラグイン【音源編】
DTMで楽曲制作を始める際、音源系VSTプラグインは楽器の音を鳴らすために必要不可欠なツールです。DAWソフトにも標準で音源は付属していますが、無料で入手できる高品質なVSTプラグインを追加することで、より表現の幅が広がります。ここでは初心者の方でも扱いやすく、音質も優れた無料の音源系VSTプラグインを3つ紹介します。
3.1 Synth1
Synth1は日本人開発者のDaichi Laboratory(市川大地氏)が制作した完全無料のソフトシンセサイザーです。リリースから20年以上経過した現在でも、国内外問わず多くのDTMユーザーに愛用されている定番プラグインとなっています。
Synth1の最大の魅力は、シンプルな操作性と豊富なプリセット音色です。アナログシンセサイザーの名機を彷彿とさせる温かみのあるサウンドが特徴で、リードシンセ、パッド、ベース音色など幅広いジャンルに対応できます。インターネット上には有志が作成した数千種類ものプリセットが公開されており、初心者でもすぐにプロ品質のシンセサウンドを楽曲に取り入れることが可能です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | Daichi Laboratory |
| 価格 | 無料 |
| 音源タイプ | 減算方式シンセサイザー |
| 対応OS | Windows、Mac |
| CPU負荷 | 非常に軽い |
| おすすめ用途 | リード、パッド、ベース、効果音 |
操作画面は2オシレーターを搭載したシンプルな構成で、フィルター、エンベロープ、LFOといった基本的なシンセサイザーのパラメーターを視覚的に理解しやすいレイアウトで配置しています。音作りの基礎を学ぶ教材としても優れており、シンセサイザーの仕組みを理解したい初心者にとって最適な学習ツールと言えます。
CPU負荷が非常に軽いため、複数のインスタンスを同時に立ち上げても快適に動作します。ただし、DTM制作では複数のプラグインを同時使用することが一般的ですので、安定した動作環境を確保するためには適切なスペックのパソコンが必要です。
3.2 Vital
Vitalは2020年にリリースされた次世代型のウェーブテーブルシンセサイザーで、無料版でも十分な機能を備えています。モダンなEDMサウンドからアンビエント、実験的な音色まで、幅広い音作りに対応できる高機能プラグインです。
Vitalの特徴は美しく洗練されたグラフィカルユーザーインターフェースです。波形がリアルタイムで視覚化されるため、音の変化を目で確認しながら直感的に音作りができます。初心者にとって難しく感じられがちなシンセサイザーの操作も、視覚的フィードバックにより理解しやすく設計されています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | Vital Audio |
| 価格 | 無料版あり(有料版で機能拡張可能) |
| 音源タイプ | ウェーブテーブルシンセサイザー |
| 対応OS | Windows、Mac、Linux |
| CPU負荷 | 中程度 |
| おすすめ用途 | EDM、トランス、アンビエント、実験音楽 |
無料版でも150種類以上のプリセットが付属しており、即戦力となるサウンドが揃っています。3基のオシレーター、2基のフィルター、複数のエフェクトを内蔵しており、プラグイン単体で完結した音作りが可能です。モジュレーションマトリクスも搭載されており、複雑な音色変化やダイナミックなサウンドデザインにも対応できます。
ただし、グラフィックが美しい反面、CPU負荷はSynth1と比較すると高めです。複数のトラックで使用する場合や、他のプラグインと併用する際には、十分な処理能力を持つパソコンが求められます。快適なDTM環境を構築するためには、マルチコアCPUと十分なメモリを搭載したパソコンの使用をおすすめします。
3.3 Ample Bass P Lite
Ample Bass P Liteは中国のAmple Sound社が提供する無料のベース音源プラグインです。プレシジョンベースタイプの音色を収録しており、ロック、ポップス、ジャズなど幅広いジャンルで使用できる汎用性の高いベース音源となっています。
この音源の最大の特徴は、無料でありながら実際のベースギターを丁寧にサンプリングしたリアルな音質です。フィンガー奏法、ピック奏法、スラップ奏法といった複数の奏法に対応しており、打ち込みでもライブ演奏のような自然なベースラインを作成可能です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | Ample Sound |
| 価格 | 無料 |
| 音源タイプ | サンプリング音源(ベースギター) |
| 対応OS | Windows、Mac |
| CPU負荷 | 中程度 |
| 容量 | 約2GB |
| おすすめ用途 | ロック、ポップス、R&B、ジャズ |
Ample Bass P Liteにはリアルタイム演奏モードとリフ作成モードが用意されており、MIDIキーボードでの演奏だけでなく、専用のリフエディターを使用して複雑なフレーズを組み立てることもできます。スライド、ハンマリング、プリング、ミュートといった演奏技法も再現されており、初心者でも本格的なベーストラックを制作できる環境が整っています。
注意点として、サンプリング音源であるため容量が約2GBと大きく、インストール時には十分なストレージ容量が必要です。また、サンプルの読み込みにより若干のCPU負荷とメモリ使用量が発生します。快適に使用するためには、SSDを搭載したパソコンや16GB以上のメモリを推奨します。
これら3つの音源プラグインは、いずれも無料でありながらプロの現場でも使用できる品質を持っています。DTM初心者の方は、まずこれらのプラグインを使いこなすことで、音源プラグインの基本的な操作方法や音作りの考え方を学ぶことができます。
なお、VSTプラグインを快適に使用するためには、パソコンのスペックが重要な要素となります。特に複数のプラグインを同時に使用する場合や、大容量のサンプリング音源を扱う場合には、高性能なCPU、十分なメモリ容量、高速なストレージが必要です。DTM用途に最適化されたパソコンを選ぶことで、制作中の音切れやフリーズといったトラブルを回避し、創作活動に集中できる環境を整えることができます。
4. 初心者におすすめのVSTプラグイン【エフェクト編】
音源プラグインで音を出せるようになったら、次はエフェクトプラグインで音を加工してみましょう。エフェクトプラグインは、録音した音や打ち込んだ音に対して、さまざまな効果を加えるためのツールです。ここでは、無料で使えて高品質なエフェクトプラグインを3つご紹介します。これらのプラグインは、プロのエンジニアも使用するほどの性能を持ちながら、初心者にも扱いやすい設計になっています。
エフェクトプラグインを使いこなすには、ある程度のCPUパワーが必要になります。特に複数のトラックに同時にエフェクトをかける場合、パソコンの処理能力が重要になってきます。DTM用のパソコンを選ぶ際は、CPUの性能とメモリ容量に注目しましょう。
4.1 TDR Nova
TDR Novaは、Tokyo Dawn Recordsが開発した無料のダイナミックイコライザーです。イコライザーとコンプレッサーの機能を組み合わせた高機能なプラグインで、周波数ごとに音量を調整するだけでなく、特定の周波数帯域のダイナミクスをコントロールできます。
このプラグインの最大の特徴は、視覚的に分かりやすいインターフェースです。リアルタイムで周波数スペクトラムが表示されるため、どの周波数帯域をどのように調整すればよいのか、目で見て判断できます。初心者にとって、音の変化を視覚的に確認できることは非常に重要です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | Tokyo Dawn Records |
| 価格 | 無料 |
| 対応OS | Windows、macOS |
| 主な用途 | ダイナミックEQ、マスタリング、ミキシング |
| バンド数 | 4バンド |
TDR Novaは、ボーカルトラックの不要な共鳴を取り除いたり、楽器の特定の周波数だけを強調したりする作業に最適です。例えば、ボーカルの低域に余計な音が入っている場合、その周波数帯域だけを自動的に抑えることができます。有料版のプラグインにも劣らない品質を持ちながら無料で使えるため、まず最初に導入すべきエフェクトプラグインの一つと言えるでしょう。
操作方法も直感的で、グラフ上をクリックするだけで調整ポイントを追加でき、ドラッグ操作で周波数や音量を変更できます。プリセットも豊富に用意されているため、最初はプリセットを読み込んで音の変化を確認しながら学習するのがおすすめです。
4.2 Valhalla Supermassive
Valhalla Supermassiveは、Valhalla DSPが開発した無料のリバーブ・ディレイプラグインです。広大な空間表現と独特な残響効果を得意とするプラグインで、通常のリバーブでは表現できないような、宇宙的で幻想的なサウンドを作り出すことができます。
このプラグインは、映画音楽やアンビエント音楽、エレクトロニックミュージックなど、空間的な広がりを重視する楽曲制作に特に適しています。短いディレイから数十秒に及ぶ長大なリバーブまで、幅広い残響時間を設定できるのが特徴です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | Valhalla DSP |
| 価格 | 無料 |
| 対応OS | Windows、macOS |
| 主な用途 | リバーブ、ディレイ、空間系エフェクト |
| モード数 | 8種類のアルゴリズム |
Valhalla Supermassiveの使い方は比較的シンプルです。まず8種類のモードから好みのリバーブタイプを選び、Decay(残響時間)とMix(原音とエフェクト音のバランス)を調整するだけで、印象的な空間効果が得られます。Warpパラメータを使えば、さらに独特な音響効果を加えることも可能です。
初心者の方は、まずプリセットを試してみることをおすすめします。多数のプリセットが用意されており、それぞれが異なる空間表現を提供してくれます。シンセサイザーのパッドサウンドやギターのアルペジオ、ボーカルのバックコーラスなどに適用すると、楽曲全体の雰囲気が劇的に変化します。
ただし、CPUへの負荷はやや高めなので、古いパソコンで使用する場合は注意が必要です。複数のトラックに同時に使用する際は、パソコンの性能を考慮しましょう。DTM制作において快適な作業環境を維持するには、十分な処理能力を持ったパソコンが重要になります。
4.3 Pancake 2
Pancake 2は、Cablebuysが開発した無料のマルチエフェクトプラグインです。フィルター、ディストーション、モジュレーションなど、多彩なエフェクトを一つのプラグインに統合した万能ツールとして、初心者から上級者まで幅広く支持されています。
このプラグインの最大の魅力は、シンプルな操作性と視覚的に美しいインターフェースです。複雑な設定をしなくても、ノブを回すだけで音が劇的に変化します。特にEDMやヒップホップなど、現代的な音楽ジャンルの制作に適しており、音にキャラクターや個性を与えることができます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | Cablebuys |
| 価格 | 無料 |
| 対応OS | Windows、macOS |
| 主な用途 | フィルター、ディストーション、音作り |
| エフェクト種類 | フィルター、ディストーション、LFO |
Pancake 2には、ローパスフィルター、ハイパスフィルター、バンドパスフィルターなど、複数のフィルタータイプが搭載されています。これらのフィルターを使うことで、音の明るさや厚みを自在にコントロールできます。また、ディストーション機能を使えば、音に歪みや温かみを加えることも可能です。
LFO(低周波発振器)機能も搭載されており、音を周期的に変化させるモジュレーション効果を簡単に作り出せます。例えば、シンセサイザーの音にワブルベース効果を加えたり、フィルターを自動的に開閉させたりすることができます。これらの効果は、ダンスミュージックやエレクトロニックミュージックでよく使われる手法です。
初心者の方は、まずプリセットブラウザから気に入った音を探してみましょう。数多くのプリセットが用意されており、それぞれが異なる音色変化を提供してくれます。プリセットを基に、パラメータを少しずつ変更しながら、各ノブがどのように音に影響するのかを学んでいくのが効果的な学習方法です。
Pancake 2は比較的軽量なプラグインなので、CPUへの負荷も少なめです。ただし、複数のインスタンスを同時に立ち上げる場合は、やはりパソコンの性能が重要になります。特にリアルタイムで音を確認しながら作業する場合、レイテンシ(遅延)が少ない環境が望ましいため、高性能なCPUとオーディオインターフェースの組み合わせが理想的です。
これら3つのエフェクトプラグインは、いずれも無料とは思えない高品質なサウンドを提供してくれます。TDR Novaで音の周波数バランスを整え、Valhalla Supermassiveで空間的な広がりを加え、Pancake 2で音にキャラクターを与えるという使い分けができれば、楽曲のクオリティは大きく向上するでしょう。まずはこれらのプラグインを実際に使ってみて、エフェクト処理の基本を体験してみてください。
5. VSTプラグインの使い方の実践例
VSTプラグインの基本的な知識を身につけたら、実際に音楽制作の現場でどのように活用するのかを学びましょう。ここでは、代表的な3つのVSTプラグインを使った実践的な使い方を、初心者の方にも分かりやすく解説します。これらの技術を習得することで、より本格的な楽曲制作ができるようになります。
5.1 シンセサイザーVSTプラグインの使い方
シンセサイザーVSTプラグインは、電子音を生成する音源系プラグインの代表格です。ここでは無料でありながら高機能なSynth1を例に、基本的な音作りの手順を説明します。
まず、DAWソフトでMIDIトラックを作成し、そのトラックにSynth1を読み込みます。読み込みが完了すると、Synth1のインターフェースが表示され、様々なつまみやスライダーが並んでいるのが確認できます。
シンセサイザーでの音作りは、波形の選択から始めるのが基本です。Synth1の画面上部にあるOSC1セクションで、波形を選択します。初心者の方は、まずノコギリ波(SAW)から試してみることをおすすめします。ノコギリ波は倍音が豊富で、エレクトロニックミュージックでよく使われる音色の基礎となります。
次に、フィルターセクションで音色を調整します。CUTOFFつまみを回すと、高音域の成分をカットでき、音の明るさを調整できます。RESONANCEつまみは、カットオフ周波数付近を強調する役割を持ち、独特の音色変化を生み出します。
| パラメータ名 | 機能 | 調整のポイント |
|---|---|---|
| OSC(オシレーター) | 波形の選択と音程調整 | SAW波やSquare波から始めると分かりやすい |
| CUTOFF | 高音域のカット量調整 | 右に回すと明るく、左に回すとこもった音になる |
| RESONANCE | カットオフ周波数の強調 | 上げすぎると耳に刺さる音になるので注意 |
| ATTACK | 音の立ち上がり時間 | 0にすると鋭い音、上げるとゆっくり立ち上がる |
| RELEASE | 音の余韻の長さ | 鍵盤を離した後の音の伸びを調整 |
エンベロープセクションでは、音の時間的な変化をコントロールします。ATTACKは音の立ち上がりの速さ、RELEASEは音が消えるまでの時間を設定します。例えば、パッド系の柔らかい音を作りたい場合は、ATTACKとRELEASEの両方を長めに設定します。逆に、歯切れの良いベース音を作りたい場合は、ATTACKを0に近づけ、RELEASEを短めに設定します。
音作りに慣れてきたら、プリセットを参考にしながら各パラメータがどのように音色に影響するのかを学ぶと効果的です。プリセットを読み込んで、一つずつパラメータを変更してみることで、各要素の役割が体感的に理解できるようになります。
MIDIキーボードやDAW上のピアノロールを使って実際に演奏しながら調整すると、リアルタイムで音の変化を確認できるため、より直感的な音作りが可能になります。DTM用のパソコンは、こうしたリアルタイム処理を快適に行うための十分な処理能力が必要です。
5.2 イコライザーVSTプラグインの使い方
イコライザーは、音の周波数帯域ごとの音量を調整するエフェクトプラグインです。楽曲制作において最も頻繁に使用されるエフェクトの一つであり、音のバランスを整えるために欠かせません。ここでは無料プラグインのTDR Novaを例に、実践的なイコライジングの方法を解説します。
イコライザーをトラックに挿入すると、横軸が周波数、縦軸が音量を表すグラフが表示されます。このグラフ上で特定の周波数帯域を持ち上げたり削ったりすることで、音色を調整します。
イコライジングの基本は、不要な周波数を削ることから始めることです。音を足すことばかり考えがちですが、実際には削ることの方が重要な場合が多くあります。
例えば、ボーカルトラックをイコライジングする場合を考えてみましょう。まず、100Hz以下の低域をカットします。この帯域にはボーカルの音楽的な情報はほとんど含まれておらず、主にノイズや不要な低音が存在します。ハイパスフィルターを使って、この帯域を緩やかにカットすることで、楽曲全体の低域がすっきりします。
| 周波数帯域 | 音の特徴 | 調整の例 |
|---|---|---|
| 20Hz~100Hz | 重低音、体に響く音域 | ボーカルやギターでは通常カット、キックやベースで重要 |
| 100Hz~500Hz | 音の厚み、こもりやすい音域 | 過剰だと濁った音になるため、慎重に調整 |
| 500Hz~2kHz | 音の存在感、聴き取りやすさ | ボーカルやリードギターの明瞭さを調整 |
| 2kHz~8kHz | 音の輝き、アタック感 | 持ち上げると明るく前に出る、上げすぎると耳に刺さる |
| 8kHz以上 | 空気感、きらめき | 適度に持ち上げると透明感が出る |
次に、問題のある周波数帯域を見つけて削ります。TDR Novaではソロモードという機能があり、特定の周波数帯域だけを聴くことができます。これを活用して、耳障りな周波数を探します。ボーカルの場合、200Hz~500Hz付近にこもりの原因となる周波数があることが多いため、この帯域を中心に確認します。
問題のある周波数が見つかったら、その周波数を中心にQを狭めて2~5dB程度カットします。Qとは、調整する周波数帯域の幅を表すパラメータで、値が大きいほど狭い範囲を調整できます。ピンポイントで問題を解決したい場合はQを高く、自然な調整をしたい場合はQを低く設定します。
イコライジングは常に楽曲全体のバランスを聴きながら行うことが重要です。ソロで聴くと良い音でも、他の楽器と合わせると浮いてしまうことがあります。定期的にソロを解除して、ミックス全体の中での響きを確認しましょう。
また、イコライジングをかけすぎると音質が劣化することがあります。一つのトラックで大幅な調整が必要な場合は、録音段階やプラグイン選択に問題がある可能性も考えられます。複数のトラックを扱う場合、それぞれの処理が積み重なるため、パソコンの処理能力も重要になります。
5.3 リバーブVSTプラグインの使い方
リバーブは、音に空間的な広がりや奥行きを与えるエフェクトです。楽曲に立体感と臨場感をもたらし、プロフェッショナルなサウンドを実現するために不可欠なエフェクトの一つです。ここでは無料で使えるValhalla Supermassiveを例に、実践的なリバーブの使い方を解説します。
リバーブを使用する際は、センドトラックを活用する方法が一般的です。センドトラックとは、複数のトラックから音を受け取って処理を行う専用のトラックのことです。各トラックにリバーブを直接挿入するよりも、センドトラックを使うことで統一感のある空間表現ができ、CPU負荷も軽減できます。
まず、DAWソフトで新しいセンドトラック(AUXトラックやリターントラックとも呼ばれます)を作成し、そこにValhalla Supermassiveを挿入します。このトラックはリバーブ専用のトラックとなります。次に、リバーブをかけたいトラック(例えばボーカルトラック)のセンド量を調整して、リバーブトラックに音を送ります。
リバーブの設定で最も重要なパラメータは、リバーブタイムとミックス量です。リバーブタイムは残響の長さを決定し、楽曲のテンポやジャンルに合わせて調整します。一般的に、テンポの速い楽曲では短めに、スローな楽曲では長めに設定します。
| パラメータ名 | 機能 | 設定のポイント |
|---|---|---|
| Decay Time | 残響が消えるまでの時間 | 楽曲のテンポに合わせて調整、長すぎると音が濁る |
| Pre-Delay | 原音からリバーブが始まるまでの遅延 | 10~30ms程度で原音とリバーブを分離できる |
| Mix(Wet/Dry) | 原音とエフェクト音のバランス | センドで使う場合は100%、直挿しでは20~40%程度 |
| High Cut | リバーブの高音域をカット | 5kHz~10kHz程度でカットすると自然な響きになる |
| Low Cut | リバーブの低音域をカット | 200Hz~500Hz程度でカットすると低域の濁りを防げる |
プリディレイは、原音が鳴ってからリバーブが始まるまでの遅延時間を設定するパラメータです。10~30ms程度のプリディレイを設定することで、原音とリバーブが分離され、ボーカルや楽器の輪郭を保ちながら空間の広がりを得ることができます。特にボーカルでは、この設定が明瞭さを保つために重要です。
リバーブに対してイコライザーを使用することも効果的です。リバーブトラックにイコライザーを挿入し、低域をカットすることで、リバーブによる低音の濁りを防げます。また、高域を少しカットすることで、より自然で落ち着いた残響音を作ることができます。
リバーブは控えめに使うことが、プロフェッショナルなサウンドを作る秘訣です。初心者の方はリバーブをかけすぎてしまう傾向がありますが、リバーブが多すぎると楽曲全体がぼやけて、各楽器の分離感が失われてしまいます。最初は少なめから始めて、徐々に増やしていく方法をおすすめします。
楽器やパートによってリバーブの量を変えることで、奥行きのある立体的なミックスを作ることができます。例えば、メインボーカルは少なめ、コーラスは多め、ドラムのスネアは中程度といった具合に調整することで、各パートの位置関係を表現できます。
複数のリバーブプラグインを同時に使用する場合や、長いディケイタイムを設定する場合は、パソコンのCPU負荷が高くなります。快適なDTM環境を維持するためには、十分な処理能力を持ったパソコンを使用することが望ましいでしょう。特に大規模なプロジェクトでは、高性能なCPUとメモリを搭載したDTM専用パソコンの使用が推奨されます。
6. VSTプラグインを使う際の注意点
VSTプラグインは便利なツールですが、快適に使用するためにはいくつかの注意点があります。特に初心者の方は、これらのポイントを理解しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな音楽制作環境を構築できます。ここでは、VSTプラグインを使う際に押さえておくべき重要な注意点について詳しく解説します。
6.1 CPU負荷への配慮
VSTプラグインは、パソコンのCPUリソースを消費します。複数のプラグインを同時に使用すると、CPUの処理能力が追いつかず、音が途切れたり、ノイズが発生したりする可能性があります。これは「オーディオドロップアウト」と呼ばれる現象で、音楽制作の大きな障害となります。
特に高品質なリバーブやモデリング系のプラグインは、CPU負荷が高い傾向にあります。複数のトラックに重いプラグインをかけると、パソコンのスペックによっては動作が不安定になることがあります。
6.1.1 CPU負荷を軽減する対策
| 対策方法 | 説明 |
|---|---|
| フリーズ機能の活用 | 編集が完了したトラックをオーディオファイルに変換することで、プラグインの処理をバイパスしてCPU負荷を軽減できます |
| バッファサイズの調整 | DAWの設定でバッファサイズを大きくすることで、CPU処理の余裕が生まれます。ただしレイテンシー(遅延)が増加します |
| 不要なプラグインの削除 | 使用していないプラグインはトラックから削除し、必要最小限に留めることが重要です |
| 軽量なプラグインの選択 | 同じ目的を達成できる複数のプラグインがある場合、CPU負荷の低いものを選ぶことも有効です |
パソコンのスペックが不足している場合は、高性能なCPUと十分なメモリを搭載したマシンへの買い替えを検討することも重要な解決策です。音楽制作に特化した高性能なパソコンであれば、多数のVSTプラグインを同時に使用しても安定した動作が期待できます。
6.2 32bitと64bitの互換性
VSTプラグインには32bit版と64bit版があります。使用しているDAWソフトのビット数と、VSTプラグインのビット数が一致していないと、プラグインが認識されず使用できません。現在の主流は64bit版ですが、古いプラグインの中には32bit版しか提供されていないものもあります。
多くの現代的なDAWソフトは64bit版として動作しており、32bit版のプラグインを直接読み込むことができません。この場合、ブリッジソフトと呼ばれる変換ツールを使用することで、32bitプラグインを64bit環境で動作させることが可能です。
6.2.1 ビット数の確認と対処方法
| 項目 | 確認方法・対処法 |
|---|---|
| DAWのビット数確認 | DAWソフトの「バージョン情報」や「ヘルプ」メニューから、使用しているバージョンが32bitか64bitかを確認できます |
| プラグインのビット数確認 | ダウンロードページやインストーラーに明記されています。ファイル名に「x64」や「x86」などの表記がある場合もあります |
| 32bitプラグインの使用 | jBridgeやBitBridgeなどのブリッジソフトを使用することで、64bit環境でも32bitプラグインを動作させられます |
| プラグインの更新 | 開発元が64bit版を提供している場合は、最新版にアップデートすることで互換性の問題を解決できます |
新しくVSTプラグインを導入する際には、必ず自分の環境に合ったビット数のバージョンを選択してダウンロードすることが重要です。また、パソコンのOSが64bit版であっても、DAWソフトが32bit版で動作している場合もあるため、事前の確認が必要です。
6.3 ライセンス管理の重要性
VSTプラグインには、無料のものと有料のものがあります。有料プラグインには必ずライセンスが設定されており、適切に管理しないと使用できなくなったり、法的な問題に発展したりする可能性があります。
多くの有料プラグインは、シリアルナンバーやライセンスキー、オーソライゼーションファイルなどを使用して認証を行います。また、iLokのようなUSBドングルや、インターネット経由でのアクティベーションを必要とするものもあります。
6.3.1 ライセンス管理で注意すべきポイント
購入時に受け取ったシリアルナンバーやライセンスキーは、安全な場所に保管しておく必要があります。メールで送られてきた場合は、専用のフォルダに保存するか、紙に印刷して保管しておくことをおすすめします。パソコンの故障や買い替えの際に、ライセンス情報がないと再インストールができなくなる可能性があります。
また、多くのプラグインメーカーでは、ユーザーアカウントシステムを採用しています。購入したプラグインの情報やライセンスは、このアカウントに紐付けられており、アカウント情報を忘れないように管理することも重要です。
| ライセンス形式 | 特徴と注意点 |
|---|---|
| シリアルナンバー方式 | インストール時または初回起動時にシリアルナンバーを入力します。番号を紛失しないよう保管が必要です |
| オンラインアクティベーション | インターネット経由で認証を行います。アカウント管理が重要で、パソコン台数制限がある場合もあります |
| iLokドングル方式 | USBドングルにライセンスを保存します。ドングルを別のパソコンに挿せば、そのまま使用できる利点があります |
| ライセンスファイル方式 | 専用のライセンスファイルを指定フォルダに配置します。ファイルのバックアップが重要です |
パソコンを買い替える際には、事前にライセンスの移行手続きが必要な場合があります。多くのメーカーでは、オンラインアカウントからライセンスを「解除」してから、新しいパソコンで再度「認証」する手順を踏む必要があります。この手順を怠ると、ライセンスが古いパソコンに残ったままになり、新しいパソコンで使用できなくなることがあります。
また、違法にコピーされたプラグインを使用することは、著作権法違反となります。無料で配布されている正規のフリープラグインを使用するか、正規のライセンスを購入して使用することが重要です。
音楽制作を快適に行うためには、安定して動作するパソコン環境が不可欠です。特にVSTプラグインを多用する制作スタイルの場合、CPUの処理能力やメモリ容量が制作の快適さを大きく左右します。パソコンのスペック不足を感じている場合は、音楽制作に適した高性能マシンの導入を検討することで、創作活動に集中できる環境を整えることができます。
7. まとめ
VSTプラグインは、DAWソフトで音楽制作を行う上で欠かせないツールです。音源系プラグインでは楽器の音色を鳴らすことができ、エフェクト系プラグインでは音質を加工して理想的なサウンドに仕上げることができます。
初心者の方は、まず無料で使えるSynth1やVital、TDR Novaなどから始めることで、VSTプラグインの基本的な使い方を身につけることができます。インストールから読み込み、基本操作まで、一つひとつ丁寧に実践することが上達への近道です。
ただし、VSTプラグインを使う際はCPU負荷に注意が必要です。複数のプラグインを同時に使用すると、パソコンの処理能力が追いつかず、音が途切れたりフリーズしたりする可能性があります。そのため、音楽制作には十分なスペックを持ったパソコンが必要不可欠です。
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