
Windows搭載パソコンを使い始める際、「ローカルアカウント」と「Microsoftアカウント」のどちらでサインインすべきか迷われる方は多いのではないでしょうか。
この記事ではWindowsのローカルアカウントの基本的な仕組みから、Microsoftアカウントとの具体的な違い、それぞれのメリット・デメリット、そして使い分けの判断基準まで詳しく解説します。またWindows 11・10でのローカルアカウント作成方法や、アカウント間の切り替え手順も画像付きでご紹介します。この記事を読めば、あなたの利用環境に最適なアカウントタイプを選択でき、Windowsをより安全かつ快適に使いこなせるようになります。
1. Windowsのローカルアカウントとは
Windowsのローカルアカウントは、お使いのパソコン1台だけで有効なユーザーアカウントです。このアカウントで設定した情報やデータは、すべてそのパソコン本体に保存され、他のパソコンと同期されることはありません。
インターネットに接続していなくてもサインインできるため、ネットワーク環境に左右されずにパソコンを使用できる点が大きな特徴です。企業や学校などでパソコンを複数人で共有する場合にも、ローカルアカウントを利用することで、それぞれのユーザーが独立した作業環境を持つことができます。
1.1 ローカルアカウントの基本概念
ローカルアカウントは、Windows OSがパソコン内部で管理するユーザー情報です。アカウント情報はパソコンのハードディスクやSSDに暗号化されて保存されるため、そのパソコンでのみ有効となります。
作成時に必要な情報は、ユーザー名とパスワードだけです。メールアドレスや電話番号などの個人情報を登録する必要がないため、プライバシーを重視したい方にとって適した選択肢となります。また、複数のローカルアカウントを1台のパソコンに作成することで、家族それぞれが独自の設定環境でパソコンを使用することも可能です。
Windows 95やWindows XPの時代から存在する伝統的なアカウント形式であり、長年にわたって多くのユーザーに利用されてきました。シンプルな仕組みのため、パソコン初心者の方でも理解しやすく、設定も比較的簡単に行えます。
1.2 ローカルアカウントの仕組み
ローカルアカウントの認証情報は、Windowsのシステムフォルダ内にあるSAM(Security Account Manager)データベースに保存されています。パスワードはハッシュ化と呼ばれる暗号化技術によって保護されており、元のパスワードを直接読み取ることはできない仕組みになっています。
サインイン時には、入力されたユーザー名とパスワードがSAMデータベースの情報と照合され、一致すればWindowsへのアクセスが許可されます。この認証プロセスはすべてパソコン内部で完結するため、インターネット接続は必要ありません。
各ローカルアカウントには、固有のユーザープロファイルが作成されます。このプロファイルには、デスクトップの背景、アプリケーションの設定、ドキュメントフォルダの内容など、そのユーザー固有の情報が保存されます。別のローカルアカウントでサインインすると、まったく異なる作業環境が表示されるのはこの仕組みによるものです。
| 保存される情報 | 保存場所 | 説明 |
|---|---|---|
| 認証情報 | SAMデータベース | ユーザー名とパスワードのハッシュ値 |
| ユーザー設定 | ユーザープロファイル | デスクトップ、アプリ設定、テーマなど |
| 個人ファイル | ユーザーフォルダ | ドキュメント、ピクチャ、ダウンロードなど |
| アプリケーションデータ | AppDataフォルダ | 各アプリケーションの設定や一時ファイル |
1.3 ローカルアカウントで利用できる機能
ローカルアカウントでは、Windowsの基本的な機能をすべて利用することができます。ファイルの作成や編集、アプリケーションのインストールと実行、プリンターやスキャナーなどの周辺機器の使用など、日常的なパソコン作業に必要な機能は問題なく動作します。
デスクトップアプリケーションは、ほぼすべてがローカルアカウントで正常に動作します。Microsoft Officeのデスクトップ版、Adobe製品、ブラウザ、メールクライアントなど、従来からあるソフトウェアは制限なく使用できます。ただし、一部のアプリケーションでクラウド同期機能を使用する場合は、別途サービスごとのアカウントが必要になることがあります。
Windows Updateによるシステムの更新も、ローカルアカウントで実行可能です。セキュリティパッチや機能アップデートは、アカウントの種類に関係なく適用されるため、常に最新の状態でパソコンを使用できます。
ネットワーク機能も利用できます。インターネットへの接続、ローカルネットワーク内のファイル共有、ネットワークプリンターの使用などは、ローカルアカウントでも問題なく行えます。企業のドメインネットワークへの参加も、適切な設定を行えば可能です。
ただし、Microsoft StoreからダウンロードするUWPアプリケーションの一部や、OneDriveとの自動同期機能など、Microsoftのクラウドサービスと連携する機能については利用が制限される場合があります。これらのサービスを活用したい場合は、Microsoftアカウントでのサインインが必要となります。
| 機能カテゴリ | 利用可否 | 備考 |
|---|---|---|
| デスクトップアプリの使用 | 可能 | 制限なくすべてのアプリを利用できる |
| ファイル管理 | 可能 | ローカルストレージへの保存と管理 |
| Windows Update | 可能 | セキュリティ更新も問題なく適用される |
| ネットワーク接続 | 可能 | インターネットやローカルネットワークの利用 |
| Microsoft Store | 一部制限 | 無料アプリのダウンロードは可能だが機能制限あり |
| OneDrive自動同期 | 不可 | Microsoftアカウントでのサインインが必要 |
| 設定の同期 | 不可 | 複数デバイス間での設定共有はできない |
2. Microsoftアカウントとは
Microsoftアカウントは、マイクロソフト社が提供する無料のオンラインアカウントサービスです。メールアドレスとパスワードを使って作成し、Windows OSだけでなく、マイクロソフトが提供する様々なサービスやアプリケーションを利用する際の共通IDとして機能します。
従来のローカルアカウントとは異なり、インターネットを介してマイクロソフトのクラウドサーバーと連携する仕組みになっており、複数のデバイス間で設定やデータを同期できる点が大きな特徴です。一度アカウントを作成すれば、Windows搭載パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、様々なデバイスで同じアカウントを使用できます。
2.1 Microsoftアカウントの基本概念
Microsoftアカウントは、マイクロソフトのエコシステム全体にアクセスするための統合認証システムとして設計されています。このアカウントを取得することで、ユーザーは単一のIDとパスワードで、Windows OSへのサインインからクラウドストレージ、オフィスアプリケーション、ゲームプラットフォームまで、幅広いサービスを利用できるようになります。
アカウントの作成には、既存のメールアドレスを使用するか、outlook.comやhotmail.comなどのマイクロソフトが提供するメールアドレスを新規に取得する必要があります。登録時には本人確認のための情報も求められ、セキュリティを高めるための二段階認証の設定も可能です。
Microsoftアカウントで管理される主な情報には、ユーザープロフィール、デバイス設定、アプリケーションの購入履歴、サブスクリプション情報などが含まれます。これらの情報はマイクロソフトのクラウドサーバーに保存され、どのデバイスからでもアクセスできる仕組みになっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アカウント形式 | オンライン型の統合アカウント |
| 認証情報 | メールアドレスとパスワード |
| データ保存場所 | マイクロソフトのクラウドサーバー |
| 利用範囲 | Windows、Office、Xbox、OneDriveなど複数サービス |
| デバイス間連携 | 可能(設定やデータの同期) |
2.2 Microsoftアカウントで利用できるサービス
Microsoftアカウントを使用することで、マイクロソフトが提供する多彩なサービスやアプリケーションにアクセスできます。ここでは主要なサービスについて詳しく解説します。
まず代表的なのがOneDriveというクラウドストレージサービスです。無料プランでは5GBの容量が提供され、文書や写真、動画などのファイルをクラウド上に保存できます。複数のデバイスから同じファイルにアクセスでき、自動的に同期されるため、外出先でも作業の続きができます。
Microsoft 365(旧Office 365)のサブスクリプションサービスも、Microsoftアカウントと紐付けて利用します。Word、Excel、PowerPointなどのOfficeアプリケーションをクラウド経由で使用でき、常に最新バージョンが利用可能です。また、複数のデバイスにインストールして使用することもできます。
Windows Storeからのアプリケーションのダウンロードや購入も、Microsoftアカウントを通じて行われます。購入したアプリやゲームの履歴はアカウントに保存されるため、新しいパソコンに買い替えた際も、再度ダウンロードして利用できます。
Xbox関連のサービスも統合されており、ゲームの購入履歴、実績、フレンドリストなどがアカウントに記録されます。パソコンでプレイしたゲームの進行状況をXbox本体で引き継ぐことも可能です。
その他にも、Skypeでのビデオ通話、Outlookでのメール管理、Microsoft Teamsでのビジネスコミュニケーションなど、様々なサービスが一つのアカウントで利用できます。これらのサービス間でデータや設定が連携するため、シームレスな作業環境を構築できる点が大きな魅力です。
| サービス名 | 主な機能 | 無料プランの内容 |
|---|---|---|
| OneDrive | クラウドストレージ、ファイル同期 | 5GBの容量 |
| Microsoft 365 | Office アプリケーション、クラウドサービス | Web版のみ利用可能 |
| Windows Store | アプリ、ゲームの購入とダウンロード | 無料アプリの利用可能 |
| Xbox | ゲームプレイ、実績管理、オンラインマルチプレイ | アカウント作成とゲーム購入 |
| Outlook.com | Webメール、予定表管理 | 15GBのメールボックス容量 |
| Skype | 音声・ビデオ通話、チャット | Skype同士の通話は無料 |
Microsoftアカウントを活用することで、パソコンでの作業がより便利で効率的になります。特に複数のデバイスを使い分けている方や、マイクロソフトのサービスを頻繁に利用する方にとっては、非常に有用なアカウントシステムと言えるでしょう。
3. ローカルアカウントとMicrosoftアカウントの違い
WindowsのローカルアカウントとMicrosoftアカウントは、どちらもWindowsにサインインするための手段ですが、その仕組みや利用できる機能には大きな違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、自分に合ったアカウントタイプを選ぶことができます。
3.1 サインイン方法の違い
ローカルアカウントとMicrosoftアカウントでは、サインイン時に使用する認証情報の管理場所が根本的に異なります。
ローカルアカウントは、使用しているパソコン本体にのみ保存されたユーザー名とパスワードでサインインします。このため、インターネット接続がなくてもサインインが可能で、アカウント情報は完全にそのパソコン内で管理されます。パスワードを設定しない状態でも利用できるため、家庭内で個人的に使うパソコンであれば、簡単にサインインできる環境を構築することができます。
一方、Microsoftアカウントは、メールアドレスとパスワードを使ってマイクロソフトのサーバーで認証を行います。サインイン時にはインターネット経由でマイクロソフトのクラウドサービスと通信し、アカウント情報が正しいかどうかを確認します。初回サインイン時にはインターネット接続が必須ですが、一度サインインすればキャッシュされた認証情報により、オフライン状態でも一定期間はサインインできます。
| 項目 | ローカルアカウント | Microsoftアカウント |
|---|---|---|
| 認証情報の保存場所 | パソコン本体 | マイクロソフトのサーバー |
| サインインに必要なもの | ユーザー名とパスワード | メールアドレスとパスワード |
| 初回サインイン時のネット接続 | 不要 | 必須 |
| 他のパソコンでの利用 | 各パソコンで個別に作成が必要 | 同じアカウントでサインイン可能 |
3.2 データの保存場所の違い
アカウントタイプによって、設定やファイルなどのデータがどこに保存されるかが変わります。この違いは、複数のデバイスを使用する場合や、パソコンを買い替える際に大きな影響があります。
ローカルアカウントでは、すべてのユーザーデータと設定情報がそのパソコンのストレージに保存されます。デスクトップの壁紙、アプリケーションの設定、ブラウザのブックマーク、保存したファイルなど、すべてがローカルディスク上に存在します。このため、別のパソコンを使用する場合には、設定を一から行う必要があり、ファイルもUSBメモリや外付けハードディスクなどを使って手動で移動させなければなりません。
対して、Microsoftアカウントでは、多くの設定情報がクラウド上に自動的に同期されます。デスクトップのテーマ、アプリの設定、Edgeブラウザのお気に入りやパスワード、言語設定などがマイクロソフトのサーバーに保存されるため、別のWindows搭載パソコンで同じMicrosoftアカウントでサインインすれば、同じ環境をすぐに利用できます。OneDriveを有効にしていれば、ドキュメントフォルダやデスクトップのファイルも自動的にクラウドに保存され、どのデバイスからでもアクセス可能になります。
ただし、すべてのデータがクラウドに保存されるわけではありません。インストールしたアプリケーション本体や、大容量のファイル、ゲームのセーブデータなどは基本的にローカルに保存されます。OneDriveの無料プランでは5GBまでしか保存できないため、大量のファイルを同期したい場合には有料プランへの加入が必要です。
3.3 セキュリティ面の違い
アカウントの種類によって、利用できるセキュリティ機能や保護レベルにも違いがあります。
ローカルアカウントのセキュリティは、基本的にパソコン本体の物理的な管理に依存します。パスワードを設定することで第三者の不正アクセスを防ぐことはできますが、パスワードを忘れた場合の復旧手段は限られています。パスワードリセットディスクを事前に作成していない限り、専門的な知識がなければアカウントにアクセスできなくなる可能性があります。また、二段階認証や生体認証などの高度なセキュリティ機能は、Windows Helloを設定することで利用できますが、Microsoftアカウントに比べると選択肢が少なくなります。
Microsoftアカウントでは、より高度なセキュリティ機能を利用できます。二段階認証を有効にすることで、パスワードだけでなくスマートフォンに送られる確認コードやMicrosoft Authenticatorアプリによる承認が必要になり、セキュリティレベルが大幅に向上します。パスワードを忘れた場合でも、登録したメールアドレスや電話番号を使ってオンラインでリセットできるため、アカウントに再度アクセスできる可能性が高くなります。
さらに、Microsoftアカウントではアカウントの不審なアクティビティを監視し、異常なサインイン試行があった場合には通知を受け取ることができます。これにより、自分のアカウントが不正利用されていないかを確認できます。
| セキュリティ機能 | ローカルアカウント | Microsoftアカウント |
|---|---|---|
| パスワード保護 | あり | あり |
| 二段階認証 | 利用不可 | 利用可能 |
| パスワードリセット | リセットディスクが必要 | オンラインで可能 |
| 不審なアクティビティの監視 | なし | あり |
| Windows Hello | 利用可能 | 利用可能 |
3.4 利用できる機能の違い
ローカルアカウントとMicrosoftアカウントでは、Windowsの基本機能は同じように使えますが、マイクロソフトが提供するクラウドサービスや一部の機能には違いがあります。
ローカルアカウントでは、Windows自体の基本的な機能はすべて利用できます。ファイルの作成や編集、アプリケーションのインストール、インターネットの利用、プリンターの接続など、日常的なパソコン作業に必要な機能は問題なく使えます。Microsoft Officeもインストールして使用できますが、永続ライセンス版に限られ、Microsoft 365のサブスクリプション版を利用する場合にはMicrosoftアカウントが必要になります。
ただし、Microsoft Storeからのアプリのダウンロードはできません。また、OneDriveによるクラウドストレージ、設定の同期、「デバイスを探す」機能なども利用できません。
Microsoftアカウントでは、マイクロソフトが提供するすべてのクラウドサービスとWindowsの統合機能を利用できます。Microsoft Storeから無料アプリや有料アプリをダウンロードでき、購入履歴もアカウントに紐付けられるため、別のパソコンでも同じアプリを再度ダウンロードできます。OneDriveを使えば、5GBまでのファイルを無料でクラウドに保存でき、スマートフォンやタブレットなど他のデバイスからもアクセスできます。
Windows 11では、一部の機能がMicrosoftアカウント限定になっています。たとえば、Windows Helloの顔認証や指紋認証を初期設定時に有効にするには、Microsoftアカウントが推奨されています。また、Microsoft 365やXbox Game Passなどのサブスクリプションサービスを利用する場合にも、Microsoftアカウントが必須です。
| 機能・サービス | ローカルアカウント | Microsoftアカウント |
|---|---|---|
| Windows基本機能 | 利用可能 | 利用可能 |
| Microsoft Store | 利用不可 | 利用可能 |
| OneDrive | 利用不可 | 利用可能 |
| 設定の同期 | 利用不可 | 利用可能 |
| デバイスを探す | 利用不可 | 利用可能 |
| Microsoft 365 | 永続ライセンス版のみ | サブスクリプション版も利用可能 |
| Xbox Game Pass | 利用不可 | 利用可能 |
このように、ローカルアカウントとMicrosoftアカウントでは、サインイン方法、データの保存場所、セキュリティレベル、利用できる機能に明確な違いがあります。単独のパソコンを使い、プライバシーを重視する場合にはローカルアカウントが適していますが、複数のデバイスを使用し、クラウドサービスを活用したい場合にはMicrosoftアカウントが便利です。
4. ローカルアカウントのメリットとデメリット
Windowsのローカルアカウントには、特有のメリットとデメリットが存在します。自分の利用環境や目的に合わせて、これらの特徴を理解することが重要です。ここでは、ローカルアカウントの長所と短所を詳しく解説していきます。
4.1 ローカルアカウントのメリット
ローカルアカウントの最大のメリットは、インターネット接続がなくてもパソコンにサインインできる点です。オフライン環境でも問題なく使用できるため、ネットワーク障害時やインターネット環境が不安定な場所でも安心して作業を続けられます。
プライバシー保護の観点からも大きな利点があります。ローカルアカウントでは、利用状況や設定情報がMicrosoftのサーバーに送信されることがありません。個人情報の管理を自分のパソコン内で完結させたい方にとって、この特徴は非常に重要です。特に企業の機密情報を扱う場合や、個人情報保護に敏感な方には適した選択肢となります。
アカウント管理のシンプルさも見逃せないメリットです。メールアドレスやパスワードの複雑な要件を気にする必要がなく、パソコン本体だけでアカウントの作成と管理が完結します。パスワードも自由に設定でき、Microsoftのパスワードポリシーに縛られることはありません。
セキュリティ面では、外部からの不正アクセスリスクが低いという特徴があります。インターネット経由での攻撃対象になりにくく、アカウント情報の漏洩リスクも最小限に抑えられます。ローカルネットワーク内でのみパソコンを使用する環境では、この特性が大きな安心材料となります。
起動時の動作も軽快です。Microsoftのサーバーとの通信が不要なため、サインイン時の認証処理が素早く完了します。特に古いパソコンや性能が限られたデバイスでは、この速度の違いが体感できることもあります。
| メリットの種類 | 具体的な内容 | 適した利用シーン |
|---|---|---|
| オフライン利用 | インターネット接続なしでサインイン可能 | ネットワーク環境が不安定な場所での作業 |
| プライバシー保護 | 利用情報が外部サーバーに送信されない | 個人情報保護を重視する業務環境 |
| 管理の簡便性 | メールアドレス不要で設定が簡単 | パソコン初心者やシンプルな管理を希望する場合 |
| セキュリティ | 外部からの不正アクセスリスクが低い | 社内ネットワーク内でのみ使用する環境 |
| 動作の軽快さ | サインイン時のサーバー通信が不要 | 性能が限られたパソコンでの使用 |
4.2 ローカルアカウントのデメリット
ローカルアカウントの最も大きなデメリットは、複数のデバイス間で設定やデータを同期できない点です。別のパソコンやタブレットを使用する際、それぞれのデバイスで個別に設定を行う必要があります。デスクトップの壁紙、ブラウザのお気に入り、アプリケーションの設定などは、手動で移行しなければなりません。
Microsoft Storeからのアプリダウンロードに制限があることも不便な点です。一部の有料アプリや特定の機能を持つアプリは、Microsoftアカウントでのサインインが必須となっています。これにより、利用できるアプリケーションの選択肢が狭まる可能性があります。
OneDriveなどのクラウドストレージサービスとの統合機能が使えないため、データのバックアップや共有に手間がかかります。ファイルを外部メディアや別の方法で保存する必要があり、複数のデバイスでファイルを編集する場合は特に管理が煩雑になります。
Windows Helloの生体認証機能やPINによる高度なセキュリティ機能の一部が利用できない場合があります。これらの便利なサインイン方法を活用したい場合、ローカルアカウントでは制限を受けることがあります。
パスワードを忘れた場合のリカバリー手段が限られている点も注意が必要です。Microsoftアカウントのようなオンラインでのパスワードリセット機能がないため、パスワードリセットディスクを事前に作成しておかないと復旧が困難になります。パソコンにサインインできなくなるリスクを考慮して、適切な対策を講じておく必要があります。
Microsoft 365やOutlookなどのクラウドベースのサービスとの連携がスムーズではありません。これらのサービスを頻繁に利用する場合、毎回個別にサインインする手間が発生します。業務でこれらのツールを多用する環境では、作業効率が低下する可能性があります。
Windows Updateの一部の機能や、システムの最適化に関する設定が制限されることもあります。特にWindows 11では、ローカルアカウントの作成手順が複雑化しており、初期設定時にMicrosoftアカウントの使用を強く推奨される仕様になっています。
| デメリットの種類 | 具体的な内容 | 影響を受ける作業 |
|---|---|---|
| 同期機能の欠如 | 複数デバイス間での設定共有ができない | 複数のパソコンやタブレットを使用する作業環境 |
| アプリの制限 | Microsoft Storeの一部アプリが利用不可 | 特定のアプリケーションを必要とする業務 |
| クラウド連携 | OneDriveなどのクラウドサービスとの統合ができない | ファイルの共有やバックアップ作業 |
| セキュリティ機能 | Windows Helloなどの高度な認証機能に制限 | セキュリティを重視したサインイン管理 |
| パスワード管理 | パスワード忘れ時の復旧手段が限定的 | パスワードリセットが必要な緊急時 |
| サービス連携 | Microsoft 365などとのスムーズな連携ができない | クラウドベースのサービスを多用する業務 |
これらのメリットとデメリットを総合的に判断することで、自分の利用スタイルに最適なアカウントタイプを選択できます。プライバシーとシンプルさを重視するならローカルアカウント、利便性とクラウド連携を重視するならMicrosoftアカウントという基準で検討すると良いでしょう。
5. Microsoftアカウントのメリットとデメリット
Microsoftアカウントは、Windowsを使用する上で多くの便利な機能を提供しますが、一方でいくつかの注意点も存在します。ここでは、Microsoftアカウントを使用することで得られるメリットと、考慮すべきデメリットについて詳しく解説していきます。
5.1 Microsoftアカウントのメリット
Microsoftアカウントを使用することで、さまざまな利点を享受できます。それぞれのメリットについて、具体的に見ていきましょう。
5.1.1 複数のデバイス間でのデータ同期
Microsoftアカウントでサインインすると、複数のパソコンやタブレット、スマートフォンの間で設定やファイルを自動的に同期できます。たとえば、職場のパソコンで作成した文書を、自宅のパソコンでそのまま編集できるため、作業の継続性が大幅に向上します。デスクトップの壁紙やブラウザのお気に入り、アプリの設定なども同期されるため、どのデバイスを使用しても同じ環境で作業できるのです。
5.1.2 OneDriveによるクラウドストレージの利用
Microsoftアカウントには、OneDriveというクラウドストレージサービスが標準で提供されており、無料で5GBの容量を利用できます。重要なファイルや写真をOneDriveに保存しておけば、パソコンが故障した場合でもデータを失う心配がありません。また、外出先からでもインターネット接続があればファイルにアクセスできるため、利便性が高まります。
5.1.3 Microsoft 365サービスとの連携
Microsoftアカウントがあれば、WordやExcel、PowerPointなどのOfficeアプリケーションをオンライン版で無料で使用できます。また、有料のMicrosoft 365サブスクリプションを契約している場合は、複数のデバイスでフル機能のOfficeアプリを利用でき、サインインするだけですぐに使い始められます。
5.1.4 Microsoft Storeからのアプリ入手
Microsoftアカウントでサインインしていると、Microsoft Storeで購入したアプリやゲームを複数のデバイスで共有できます。一度購入したアプリは、アカウントに紐づけられるため、新しいパソコンでも再度ダウンロードして使用できるのです。また、アプリの自動更新機能も利用できるため、常に最新のバージョンを使用できます。
5.1.5 パスワードのリセットが容易
Microsoftアカウントでは、パスワードを忘れてしまった場合でも、登録しているメールアドレスや電話番号を使って簡単にリセットできます。セキュリティコードを受け取ることで本人確認ができるため、ローカルアカウントのようにパソコンにアクセスできなくなる心配が少なくなります。
5.1.6 セキュリティ機能の強化
Microsoftアカウントでは、二段階認証を設定できるため、セキュリティレベルを高められます。また、不審なサインイン試行があった場合には通知を受け取れるため、アカウントの不正利用を早期に発見できます。Microsoftが提供するセキュリティ機能を活用することで、より安全にパソコンを使用できるのです。
5.1.7 設定の自動バックアップ
システムの設定やアプリの設定がクラウドに保存されるため、パソコンを買い替えたり初期化したりした際に、設定を一から行う手間が省けます。新しい環境でも短時間で使い慣れた設定を復元できるため、作業効率が大幅に向上します。
5.2 Microsoftアカウントのデメリット
便利な機能が多いMicrosoftアカウントですが、いくつかのデメリットも存在します。これらを理解した上で、使用するかどうかを判断することが重要です。
5.2.1 インターネット接続が必要
Microsoftアカウントで初回サインインする際には、インターネット接続が必須となります。また、設定の同期やOneDriveの利用、パスワードのリセットなど、多くの機能がインターネット接続を前提としています。インターネット環境が整っていない場所では、Microsoftアカウントの利点を十分に活かせない可能性があります。
5.2.2 プライバシーに関する懸念
Microsoftアカウントを使用すると、使用状況や設定情報などのデータがMicrosoftのサーバーに送信されます。これらの情報は、サービスの改善やパーソナライズされた体験の提供に使用されますが、自分の情報が外部に送信されることに抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょう。プライバシーを重視する場合には、設定でデータ収集を制限するか、ローカルアカウントの使用を検討する必要があります。
5.2.3 アカウント管理の責任
Microsoftアカウントでは、メールアドレスとパスワードを管理する責任が利用者にあります。パスワードが漏洩した場合、アカウントに紐づいているすべてのデバイスやサービスが危険にさらされる可能性があります。定期的なパスワード変更や二段階認証の設定など、セキュリティ対策をしっかりと行う必要があります。
5.2.4 サインインに時間がかかる場合がある
初回サインイン時や設定を同期する際には、ローカルアカウントと比べてサインインに時間がかかることがあります。特にインターネット接続速度が遅い環境では、この遅延が顕著に感じられる場合があります。また、Microsoftのサーバーに障害が発生している場合には、サインインできなくなる可能性もあります。
5.2.5 Windows 11での作成手順が複雑化
Windows 11の初期セットアップでは、Microsoftアカウントでのサインインが強く推奨されており、ローカルアカウントを作成する手順が分かりにくくなっています。新規セットアップ時にローカルアカウントを選択したい場合でも、いったんMicrosoftアカウントでサインインするように誘導されるため、初心者にとっては混乱の原因となることがあります。
5.2.6 複数ユーザーでの共有に不向き
家族や職場で一台のパソコンを複数人で共有する場合、Microsoftアカウントを使用すると個人のデータが混在しやすくなります。各自が独立したMicrosoftアカウントを持つ必要があり、管理が煩雑になる可能性があります。また、他人に自分のMicrosoftアカウント情報を知られてしまうと、すべてのデバイスやサービスにアクセスされるリスクがあります。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| データ管理 | 複数デバイス間で同期、クラウドバックアップ | プライバシーの懸念、データが外部サーバーに保存 |
| 利便性 | 設定の自動復元、アプリの共有、パスワードリセットが容易 | インターネット接続が必須、サインインに時間がかかる |
| セキュリティ | 二段階認証、不正アクセスの通知 | アカウント情報の管理責任、漏洩時のリスク |
| 共有環境 | 個人用デバイスでの利用に最適 | 複数ユーザーでの共有に不向き |
Microsoftアカウントは、クラウドサービスやデバイス間の連携を重視する方にとって非常に便利な選択肢です。一方で、プライバシーを重視する方や、インターネット接続が限られた環境で使用する方には、ローカルアカウントのほうが適している場合もあります。それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、自分の使用環境や目的に合ったアカウントタイプを選択することが大切です。
6. ローカルアカウントとMicrosoftアカウントの使い分け方法
Windowsを使う上で、ローカルアカウントとMicrosoftアカウントのどちらを選ぶべきか迷われる方は多いでしょう。それぞれに適した利用シーンがあり、使い方や目的によって最適な選択は変わってきます。ここでは、具体的な利用状況に応じた使い分けの方法を詳しく解説します。
6.1 ローカルアカウントが適しているケース
ローカルアカウントは、インターネット接続なしでパソコンを使いたい場合や、プライバシーを重視する環境に最適です。工場や医療機関など、セキュリティポリシーによってインターネット接続が制限されている環境では、ローカルアカウントが基本となります。
個人利用においても、一台のパソコンを複数人で共有する家庭環境では、ローカルアカウントが適しています。それぞれのユーザーがMicrosoftアカウントを持つ必要がなく、簡単にユーザーを追加できるためです。子供用のアカウントを作成する際も、メールアドレスを用意する必要がないため、管理がシンプルになります。
また、短期間だけ使用する一時的なパソコンや、特定の作業専用マシンとして使う場合もローカルアカウントが向いています。例えば、展示会で使用するデモ機や、データ入力専用のパソコンなどがこれに該当します。
プライバシーを最優先したい方にとっても、ローカルアカウントは有効な選択肢です。Microsoftのクラウドサービスとの同期が行われないため、使用状況や設定がインターネット経由で送信されることを避けられます。
6.2 Microsoftアカウントが適しているケース
Microsoftアカウントは、複数のデバイスを使い分けながら作業する現代的な利用スタイルに最適です。自宅のデスクトップパソコン、職場のノートパソコン、タブレットなど、複数の端末でWindowsを使用する場合、Microsoftアカウントでサインインすることで、設定やブックマーク、パスワードなどが自動的に同期されます。
OneDriveを活用してファイルをクラウドに保存したい方にも、Microsoftアカウントは必須です。パソコンが故障した際にもデータを失うリスクが少なく、新しいパソコンに買い替えた際も、サインインするだけでデータにアクセスできます。
Microsoft 365を利用する場合や、Microsoft Storeからアプリをダウンロードする必要がある場合も、Microsoftアカウントが必要になります。特に、WordやExcelなどのOfficeアプリをサブスクリプションで利用している方は、Microsoftアカウントでのサインインが前提となります。
Windows Helloによる生体認証を使いたい場合も、Microsoftアカウントの方が設定がスムーズです。顔認証や指紋認証を使った安全で便利なサインイン方法を活用できます。
リモートワークやテレワークを行う方にとっても、Microsoftアカウントは便利です。TeamsやOutlookなどのビジネスツールとの連携がスムーズで、どこからでも同じ環境で作業できます。
6.3 使い分けの判断基準
ローカルアカウントとMicrosoftアカウントのどちらを選ぶべきかは、次の表に示す判断基準を参考にすると良いでしょう。
| 判断項目 | ローカルアカウント向き | Microsoftアカウント向き |
|---|---|---|
| インターネット接続 | 常時接続していない、またはオフライン環境 | 常時インターネットに接続している |
| デバイス台数 | 1台のパソコンのみ使用 | 複数のデバイスを使い分ける |
| データ保存 | ローカルストレージのみで十分 | クラウドストレージを活用したい |
| プライバシー | データの外部送信を最小限にしたい | 利便性のためにデータ同期を活用したい |
| Microsoft サービス | Officeやストアアプリを使わない | Microsoft 365やストアアプリを活用する |
| 共有環境 | 家族や複数人で一台を共有 | 個人専用のパソコン |
この判断基準をもとに、ご自身の利用状況を整理してみてください。例えば、自宅で一人で使うデスクトップパソコンでも、インターネットに常時接続していてOneDriveを使いたい場合はMicrosoftアカウントが適しています。一方、オフィスで複数人が交代で使う業務用パソコンなら、ローカルアカウントの方が管理しやすいでしょう。
なお、一度選択したアカウントの種類は後から変更できます。使い始めてから「やはり別のアカウントタイプの方が良かった」と感じた場合でも、設定から切り替えることが可能です。まずは現在の使い方に合わせて選択し、必要に応じて変更するという柔軟な考え方で問題ありません。
セキュリティ面では、どちらのアカウントタイプを選んでも、強固なパスワードを設定し定期的に変更することが重要です。Microsoftアカウントの場合は二段階認証を有効にすることで、さらにセキュリティを高められます。ローカルアカウントの場合は、パスワードリセットディスクを作成しておくと、パスワードを忘れた際に対応できます。
企業や組織で使用する場合は、IT部門のポリシーに従うことが基本です。多くの企業では、Active Directoryやドメイン参加によって一元管理されたアカウントを使用します。個人事業主やフリーランスの方は、業務の性質に応じて選択すると良いでしょう。
7. Windowsでローカルアカウントを作成する方法
Windowsでローカルアカウントを作成する手順は、Windows 11とWindows 10で若干異なります。それぞれのバージョンに応じた具体的な作成方法を、画面操作とともに詳しく解説します。初めての方でも安心して作業できるよう、各ステップを丁寧に説明していきます。
7.1 Windows 11でのローカルアカウント作成手順
Windows 11では、初期設定時にインターネット接続をスキップすることでローカルアカウントを作成できます。ただし、Windows 11 Home エディションでは、バージョンによってこの方法が使えない場合があるため、複数の方法を知っておくと便利です。
7.1.1 初期セットアップ時にローカルアカウントを作成する方法
Windowsの初期セットアップ中にローカルアカウントを作成する場合は、次の手順で進めます。
- Windows 11のセットアップ画面で「国または地域」を選択します
- キーボードレイアウトを選択し、「次へ」をクリックします
- ネットワーク接続の画面が表示されたら、「インターネットに接続していません」または「制限された設定で続行する」を選択します
- Microsoftアカウントでのサインインを求められた場合は、画面下部の「サインインオプション」をクリックします
- 「オフラインアカウント」または「ローカルアカウント」を選択します
- 「今はスキップ」をクリックして、ローカルアカウント作成画面に進みます
- ユーザー名を入力して「次へ」をクリックします
- パスワードを設定します(パスワードは省略可能ですが、セキュリティのため設定を推奨します)
- パスワードを再入力して確認します
- セキュリティの質問を3つ選択し、それぞれの答えを入力します
- プライバシー設定を確認し、設定を完了します
7.1.2 既存のWindows 11にローカルアカウントを追加する方法
すでにWindows 11を使用している状態で新しいローカルアカウントを追加する場合は、設定画面から操作します。
- 「スタート」メニューから「設定」を開きます
- 左側のメニューから「アカウント」をクリックします
- 「家族とその他のユーザー」または「その他のユーザー」を選択します
- 「アカウントの追加」ボタンをクリックします
- 「このユーザーのサインイン情報がありません」をクリックします
- 「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」をクリックします
- ユーザー名とパスワードを入力します
- セキュリティの質問を設定して「次へ」をクリックします
作成したローカルアカウントは、標準ユーザーとして設定されます。管理者権限が必要な場合は、アカウント作成後に設定画面からアカウントの種類を変更できます。
| アカウントの種類 | 権限内容 | 推奨される用途 |
|---|---|---|
| 管理者アカウント | システム設定の変更、ソフトウェアのインストール、他のアカウント管理が可能 | パソコンの主要な使用者、システム管理を行う必要がある場合 |
| 標準ユーザーアカウント | アプリケーションの使用、個人設定の変更が可能。システム全体に影響する変更は不可 | 複数人で使用するパソコンの一般ユーザー、子供用アカウント |
7.2 Windows 10でのローカルアカウント作成手順
Windows 10では、Windows 11よりも比較的簡単にローカルアカウントを作成できます。初期セットアップ時と、既存システムへの追加の両方の方法を説明します。
7.2.1 初期セットアップ時にローカルアカウントを作成する方法
Windows 10の初期セットアップでは、オフライン状態でインストールを進めることで、スムーズにローカルアカウントを作成できます。
- Windows 10のセットアップを開始し、地域とキーボードレイアウトを選択します
- 「ネットワークに接続しましょう」の画面で、「インターネットに接続していません」を選択します
- 「制限された設定で続行する」をクリックします
- 「このPCを使うのはだれですか?」の画面でユーザー名を入力します
- 「次へ」をクリックし、パスワード設定画面に進みます
- パスワードを入力します(空欄のままでも進めますが、セキュリティ上推奨しません)
- パスワードを再入力して確認します
- パスワードのヒントを入力します(パスワードを設定した場合)
- プライバシー設定を確認し、必要に応じて調整します
- 「同意」をクリックしてセットアップを完了します
7.2.2 既存のWindows 10にローカルアカウントを追加する方法
Windows 10が既にインストールされている環境で、新しいローカルアカウントを追加する手順は以下の通りです。
- 「スタート」メニューから「設定」(歯車アイコン)を開きます
- 「アカウント」をクリックします
- 左側のメニューから「家族とその他のユーザー」を選択します
- 「その他のユーザーをこのPCに追加」をクリックします
- 「このユーザーのサインイン情報がありません」をクリックします
- 「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」をクリックします
- ユーザー名を入力し、「次へ」をクリックします
- パスワードを設定し(任意)、パスワードのヒントを入力します
- 「次へ」をクリックしてアカウント作成を完了します
7.2.3 コントロールパネルからローカルアカウントを作成する方法
Windows 10では、従来のコントロールパネルからもローカルアカウントを作成できます。この方法は設定画面からの作成よりも詳細なオプションを設定できる利点があります。
- 「スタート」メニューで「コントロールパネル」と入力して開きます
- 「ユーザーアカウント」をクリックします
- 「別のアカウントの管理」を選択します
- 「PCの設定で新しいユーザーを追加」をクリックします
- 上記の「既存のWindows 10にローカルアカウントを追加する方法」の手順4以降を実行します
7.2.4 アカウントの種類を変更する方法
作成したローカルアカウントのアカウントの種類(標準ユーザーまたは管理者)は、後から変更することができます。
- 「設定」から「アカウント」を開きます
- 「家族とその他のユーザー」を選択します
- 変更したいアカウントをクリックします
- 「アカウントの種類の変更」ボタンをクリックします
- ドロップダウンメニューから「管理者」または「標準ユーザー」を選択します
- 「OK」をクリックして変更を適用します
ローカルアカウント作成時の注意点として、パスワードを設定する場合は必ず覚えやすく他人に推測されにくいものを選ぶことが重要です。また、セキュリティの質問やパスワードのヒントは、パスワードを忘れた際の復旧手段となるため、慎重に設定してください。複数のアカウントを作成する場合は、それぞれのアカウントの用途と権限を明確にしておくことで、安全で効率的なパソコン管理が可能になります。
8. Microsoftアカウントからローカルアカウントへ切り替える方法
Microsoftアカウントでサインインしているパソコンをローカルアカウントに切り替えることで、オンラインサービスとの連携を解除し、端末内だけで完結するアカウント管理が可能になります。この章では、切り替えを行う際の注意点と具体的な手順について詳しく解説します。
8.1 切り替え前の注意点
Microsoftアカウントからローカルアカウントへの切り替えを行う前に、いくつかの重要な注意事項を理解しておく必要があります。切り替え後に利用できなくなる機能や、データの取り扱いについて事前に確認しておきましょう。
8.1.1 OneDriveとの同期が停止する
Microsoftアカウントでサインインしている状態では、OneDriveとパソコンのファイルが自動的に同期されています。ローカルアカウントに切り替えると、この同期機能が停止します。切り替え前に、クラウド上のファイルをローカルに保存しておくか、引き続きOneDriveを利用する場合は別途サインインが必要になることを理解しておきましょう。
8.1.2 Microsoft Storeアプリの再認証が必要
Microsoft Storeからダウンロードしたアプリの多くは、Microsoftアカウントと紐付けられています。ローカルアカウントに切り替えた後も、これらのアプリを引き続き利用するには、アプリごとにMicrosoftアカウントでのサインインが求められる場合があります。
8.1.3 Windows設定の同期が無効になる
Microsoftアカウントでは、デスクトップの壁紙やブラウザのお気に入り、アプリの設定などが複数のデバイス間で同期されます。ローカルアカウントに切り替えると、この同期機能が利用できなくなり、各デバイスで個別に設定を管理する必要があります。
8.1.4 Microsoft 365などのサブスクリプションサービス
Microsoft 365やXbox Game Passなどのサブスクリプションサービスを利用している場合、ローカルアカウントに切り替えても、これらのサービスを利用する際には別途Microsoftアカウントでのサインインが必要になります。サービス自体は継続して利用できますが、統合的な利便性は低下します。
8.1.5 データのバックアップを取る
切り替え作業自体でデータが失われることは通常ありませんが、万が一に備えて、重要なファイルやドキュメントのバックアップを事前に取っておくことを強く推奨します。外付けハードディスクやUSBメモリ、クラウドストレージなどに大切なデータをコピーしておきましょう。
8.2 切り替え手順
Microsoftアカウントからローカルアカウントへの切り替えは、Windowsの設定画面から比較的簡単に行うことができます。ここでは、Windows 11とWindows 10それぞれの手順を詳しく説明します。
8.2.1 Windows 11での切り替え手順
Windows 11では、以下の手順でMicrosoftアカウントからローカルアカウントに切り替えることができます。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | スタートボタンをクリックし、「設定」アイコンを選択します |
| 2 | 左側のメニューから「アカウント」をクリックします |
| 3 | 「ユーザーの情報」を選択します |
| 4 | 「ローカルアカウントでのサインインに切り替える」をクリックします |
| 5 | 現在のMicrosoftアカウントのパスワードを入力して「次へ」をクリックします |
| 6 | 新しいローカルアカウントのユーザー名とパスワードを入力します |
| 7 | パスワードのヒントを入力し、「次へ」をクリックします |
| 8 | 「サインアウトと完了」をクリックして切り替えを完了します |
「サインアウトと完了」をクリックすると、現在のセッションが終了し、サインイン画面に戻ります。新しく作成したローカルアカウントのユーザー名とパスワードを使ってサインインすると、ローカルアカウントでの利用が開始されます。
8.2.2 Windows 10での切り替え手順
Windows 10でも同様の流れで切り替えを行いますが、メニューの配置が若干異なります。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | スタートボタンをクリックし、歯車アイコンの「設定」を選択します |
| 2 | 「アカウント」をクリックします |
| 3 | 左側のメニューから「ユーザーの情報」を選択します |
| 4 | 「ローカルアカウントでのサインインに切り替える」をクリックします |
| 5 | Microsoftアカウントのパスワードを入力し、「次へ」をクリックします |
| 6 | ローカルアカウント用のユーザー名、パスワード、パスワードのヒントを入力します |
| 7 | 「次へ」をクリックします |
| 8 | 「サインアウトと完了」をクリックして切り替えを完了します |
Windows 10でも、最終的にサインアウトされ、新しいローカルアカウントでサインインし直すことで切り替えが完了します。
8.2.3 切り替え後の確認事項
ローカルアカウントへの切り替えが完了したら、以下の点を確認しておくことをおすすめします。
まず、デスクトップやドキュメントフォルダなど、重要なファイルがすべて引き継がれているか確認してください。通常、ユーザーデータはそのまま保持されますが、念のため主要なフォルダを開いて確認しておくと安心です。
次に、よく使用するアプリケーションが正常に起動するか確認しましょう。特にMicrosoft Storeからインストールしたアプリは、初回起動時にMicrosoftアカウントでのサインインを求められる場合があります。
OneDriveを引き続き利用したい場合は、OneDriveアプリを起動し、Microsoftアカウントでサインインし直す必要があります。サインインすることで、クラウド上のファイルへのアクセスと同期機能を再び利用できるようになります。
また、Outlookなどのメールアプリやブラウザのお気に入りなど、Microsoftアカウントと連携していた機能については、個別に設定を見直す必要があります。特にメールアカウントの設定は、アカウント情報を再入力する必要がある場合があります。
8.2.4 切り替えができない場合の対処法
まれに「ローカルアカウントでのサインインに切り替える」オプションが表示されない場合があります。これは主に以下のような理由で発生します。
組織が管理するMicrosoftアカウント(職場や学校のアカウント)を使用している場合、管理者によってローカルアカウントへの切り替えが制限されていることがあります。この場合は、システム管理者に相談する必要があります。
Windows 11 Homeエディションの一部のバージョンでは、初期セットアップ時にMicrosoftアカウントが必須となっており、設定画面から直接切り替えられないことがあります。この場合は、新しいローカルアカウントを別途作成し、そちらに移行するという方法も検討できます。
また、Windowsのバージョンが古い場合や、システムファイルに問題がある場合も、切り替えオプションが正常に表示されないことがあります。Windows Updateを実行して最新の状態にしてから、再度試してみてください。
8.2.5 切り替え後もMicrosoftサービスを利用する方法
ローカルアカウントに切り替えた後も、Microsoft 365やOneDrive、Microsoft Storeなどのサービスは引き続き利用できます。各サービスやアプリケーションで個別にMicrosoftアカウントにサインインすることで、必要な機能だけを利用することが可能です。
たとえば、Microsoft Edgeブラウザでは、ブラウザ内でMicrosoftアカウントにサインインすることで、お気に入りや履歴の同期機能を利用できます。同様に、Microsoft Officeアプリケーションも、アプリ内でアカウントにサインインすることで、クラウドストレージへのアクセスやライセンス認証が可能になります。
このように、ローカルアカウントでWindows自体にサインインしながら、必要なサービスだけMicrosoftアカウントで利用するという使い方も可能です。プライバシーとオンラインサービスの利便性のバランスを取りたい場合に適した方法といえるでしょう。
9. ローカルアカウントからMicrosoftアカウントへ切り替える方法
ローカルアカウントでWindowsを使用している場合でも、後からMicrosoftアカウントへ切り替えることができます。この切り替えによって、クラウド同期やMicrosoft Storeなどの機能を利用できるようになります。ここでは切り替えのメリットと具体的な手順について詳しく解説していきます。
9.1 切り替えのメリット
ローカルアカウントからMicrosoftアカウントへ切り替えることで、さまざまな利便性が得られます。主なメリットを理解することで、切り替えの判断材料にしていただけます。
9.1.1 クラウドサービスとの連携
Microsoftアカウントに切り替えることで、OneDriveによる自動バックアップ機能が利用可能になります。デスクトップやドキュメントフォルダのファイルが自動的にクラウドに保存されるため、パソコンの故障やデータ消失のリスクを大幅に軽減できます。また、複数のデバイス間でファイルを共有することも簡単になります。
9.1.2 設定の同期機能
Microsoftアカウントを使用すると、デスクトップの壁紙、ブラウザのお気に入り、アプリの設定などが複数のWindows端末間で自動的に同期されます。新しいパソコンにサインインするだけで、使い慣れた環境をすぐに再現できるため、セットアップの手間が大幅に削減されます。
9.1.3 Microsoft Storeの全機能利用
ローカルアカウントでは制限されていたMicrosoft Storeの機能が、すべて利用できるようになります。有料アプリの購入、ゲームのダウンロード、サブスクリプションサービスの利用など、Windowsのエコシステムをフルに活用できます。
9.1.4 セキュリティ機能の強化
Microsoftアカウントでは、二段階認証を設定することで、不正アクセスからアカウントを保護する仕組みが利用できます。また、パスワードを忘れた場合でもオンラインでリセットできるため、アカウントへのアクセスを失うリスクが低くなります。
9.1.5 Microsoft 365との統合
Microsoft 365のサブスクリプションを利用している場合、Microsoftアカウントでサインインすることで、WordやExcelなどのOfficeアプリケーションをスムーズに認証して使用できます。ライセンス管理も一元化されるため、複数のデバイスでの利用が容易になります。
9.2 切り替え手順
ローカルアカウントからMicrosoftアカウントへの切り替えは、Windowsの設定画面から行うことができます。データやアプリケーションはそのまま保持されますので、安心して切り替え作業を進めていただけます。
9.2.1 Windows 11での切り替え手順
Windows 11でMicrosoftアカウントに切り替える手順は以下の通りです。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | スタートボタンをクリックして「設定」を開く |
| 2 | 左側のメニューから「アカウント」を選択する |
| 3 | 「ユーザーの情報」をクリックする |
| 4 | 「Microsoftアカウントでのサインインに切り替える」をクリックする |
| 5 | Microsoftアカウントのメールアドレスを入力して「次へ」をクリックする |
| 6 | パスワードを入力してサインインする |
| 7 | 現在使用しているローカルアカウントのパスワードを入力する |
| 8 | PINコードの設定画面が表示されるので、任意のPINを設定する |
手順の途中で、既存のMicrosoftアカウントを使用するか、新規に作成するかを選択できます。すでにMicrosoftアカウントをお持ちの場合は、そのアカウント情報を入力してサインインしてください。アカウントを持っていない場合は、画面の指示に従って新規作成することもできます。
9.2.2 Windows 10での切り替え手順
Windows 10でMicrosoftアカウントに切り替える手順も基本的には同様ですが、画面のレイアウトが若干異なります。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | スタートボタンから「設定」(歯車アイコン)を開く |
| 2 | 「アカウント」をクリックする |
| 3 | 「ユーザーの情報」を選択する |
| 4 | 「Microsoftアカウントでのサインインに切り替える」をクリックする |
| 5 | Microsoftアカウントのメールアドレスとパスワードを入力する |
| 6 | 現在のローカルアカウントのパスワードを入力して認証する |
| 7 | PINの作成を求められた場合は設定する |
| 8 | 切り替え完了後、必要に応じて再起動する |
切り替え作業中は、インターネットに接続されている必要があります。また、作業を開始する前に重要なファイルのバックアップを取っておくことをおすすめします。通常はデータが失われることはありませんが、万が一に備えて準備しておくと安心です。
9.2.3 切り替え後の初回サインイン
Microsoftアカウントへの切り替えが完了すると、次回のサインイン時からMicrosoftアカウントの認証情報を使用することになります。パスワードの代わりにPINコードを使用することもできますので、より迅速なサインインが可能です。
初回サインイン後は、OneDriveの設定やブラウザの同期設定など、各種サービスの初期設定を行うことができます。これらの設定を適切に行うことで、Microsoftアカウントのメリットを最大限に活用できるようになります。
9.2.4 切り替え時のトラブルシューティング
まれに切り替え作業がスムーズに進まない場合があります。よくある問題とその対処法を以下に示します。
| 問題 | 対処法 |
|---|---|
| Microsoftアカウントのメールアドレスが認識されない | 入力したメールアドレスに誤りがないか確認し、インターネット接続を確認する |
| パスワードが正しくないと表示される | Microsoftアカウントのパスワードをブラウザで確認するか、リセットする |
| 切り替えボタンが表示されない | Windowsが最新の状態に更新されているか確認し、Windows Updateを実行する |
| 切り替え後にアプリが起動しない | アプリケーションを再インストールするか、管理者権限で実行してみる |
これらの対処法を試しても問題が解決しない場合は、Windowsのトラブルシューティングツールを実行するか、Microsoftのサポートに問い合わせることをおすすめします。
10. まとめ
Windowsのローカルアカウントとは特定のパソコン内だけで使用できるアカウントで、インターネット接続なしでもサインインできるのが特徴です。
一方、Microsoftアカウントはクラウドサービスとの連携や複数デバイス間でのデータ同期が可能です。ローカルアカウントはプライバシーを重視する方や単一デバイスのみで使用する場合に適しており、Microsoftアカウントは複数デバイスを使用する方やOneDriveなどのクラウドサービスを活用したい方に最適です。どちらを選ぶかは利用環境や目的によって判断することが重要で、必要に応じて切り替えることも可能です。自分の使い方に合ったアカウントを選択することで、Windowsをより快適に活用できます。ゲーミングPC/クリエイターPCのパソコン選びで悩んだらブルックテックPCへ。
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