
VRモードとデスクトップモードは、同じコンテンツやアプリを全く異なる方法で体験できる2つの仕組みです。
この記事では、それぞれの基本的な仕組みから操作方法・必要な機器・没入感の違いまでを分かりやすく解説します。また、VRヘッドセットを持っていない方でも安心して読み進められるよう、デスクトップモードの活用法や、自分に合ったモードの選び方についても詳しくご紹介します。
結論として、初心者の方にはまずデスクトップモードからの入門がおすすめです。それぞれの特徴をしっかり理解したうえで、自分の用途や環境に合ったモードを選びましょう。
1. VRモードとデスクトップモードとは何か
VRゲームやVRアプリを使ったことがある方なら、一度は「VRモード」と「デスクトップモード」という言葉を目にしたことがあるはずです。
しかし、それぞれがどのような仕組みで動作していて、何が違うのかを正確に理解している方は意外と少ないものです。まずはこの2つのモードの基本的な概念をしっかり押さえておきましょう。
1.1 VRモードの基本的な仕組み
VRモード(Virtual Reality Mode)とは、VRヘッドセットを装着して、仮想空間に没入した状態でコンテンツを体験するモードです。
代表的なデバイスとしては、Meta Quest 3やMeta Quest 2、PlayStation VR2(PS VR2)、Valve Indexなどが挙げられます。
VRモードでは、左右の目それぞれに対して微妙に異なる映像を表示することで、人間の視覚が持つ両眼視差の仕組みを再現し、奥行きのある立体的な空間を作り出します。
また、ヘッドセットに内蔵されたジャイロセンサーや加速度センサーが頭の動きをリアルタイムで追跡(ヘッドトラッキング)するため、顔を動かすと視点も連動して動き、まるで本当にその場にいるかのような感覚を得ることができます。
さらに、対応コントローラーを使うことで手の動きも仮想空間内に反映され、オブジェクトをつかんだり、ボタンを押したりといった直感的な操作が可能になります。これらの要素が組み合わさることで、従来の2D画面では実現できなかった高い没入感が生まれます。
1.2 デスクトップモードの基本的な仕組み
デスクトップモードとは、VRヘッドセットを使用せず、通常のモニターとキーボード・マウス、あるいはゲームコントローラーを使ってコンテンツを操作・体験するモードです。
VR対応のゲームやアプリの多くは、VRヘッドセットがなくても遊べるようにデスクトップモードを用意しています。
デスクトップモードでは、仮想空間の映像を2Dの平面として通常のディスプレイに表示します。
プレイヤーはマウスで視点を操作し、キーボードやコントローラーで移動やアクションを行います。このため、一般的なPCゲームと同じような感覚で操作できるのが大きな特徴です。
VRコンテンツをデスクトップモードで動かす場合、VRの立体映像処理が不要になるため、比較的軽い処理負荷でも動作するケースがあります。ただし、コンテンツによってはデスクトップモードに対応していないものもあるため、事前の確認が必要です。
1.3 VRモードとデスクトップモードが使われる主な場面
VRモードとデスクトップモードは、それぞれ異なるシーンや目的で活用されています。以下の表で、代表的な用途を整理して確認してみましょう。
| 用途カテゴリ | VRモードが使われる主な場面 | デスクトップモードが使われる主な場面 |
|---|---|---|
| ゲーム・エンタメ | VRゲーム(Beat Saberなど)、VR映像視聴、仮想ライブ体験 | 同一タイトルのVR非対応プレイ、Steam上でのVRゲームのデスクトップ起動 |
| ソーシャル・コミュニケーション | VRChat、cluster(クラスター)などのVRSNSでのアバター体験 | VRChatやclusterへのPC画面からの参加、VTuber活動の配信環境 |
| 教育・トレーニング | 医療シミュレーション、建設現場の安全教育、体験型学習 | VR教材のPC上での確認・編集、プレゼン用の仮想空間デモ |
| クリエイティブ制作 | VR空間でのモデリング(Gravity Sketchなど)、VR絵画・造形 | VRコンテンツの制作・確認作業、映像編集、3DCG制作 |
| 不動産・建築・設計 | 完成前の建物を仮想空間で内見、設計データのVRウォークスルー | 3DCADや設計ソフト上での2D確認・修正作業 |
このように、VRモードは「体験の質・没入感」を最優先にした場面で使われることが多く、デスクトップモードは「手軽さ・作業効率・アクセスのしやすさ」を重視する場面で選ばれる傾向があります。
また、VTuberとして活動している方の中には、VRモードでアバターの動きをリアルタイムにトラッキングしながら配信する使い方と、デスクトップモードで配信ソフトを操作しながら活動する使い方の両方を組み合わせているケースも多く見られます。目的に応じてモードを使い分けることが、VR体験をより豊かにするポイントとなります。
2. VRモードとデスクトップモードの違いを徹底比較
VRモードとデスクトップモードは、同じゲームやアプリケーションでも体験のしかたがまったく異なります。
ここでは、操作方法・必要な機器・映像の見え方・パフォーマンスという4つの観点から、それぞれの違いをわかりやすく解説します。
2.1 操作方法の違い
VRモードでは、VRヘッドセットと専用のコントローラー(モーションコントローラー)を使って操作します。プレイヤーが頭を動かすとその動きがそのまま視点に反映され、手を動かすとコントローラーの動きがゲーム内に投影されます。体全体を使って直感的に操作できる点がVRモードの大きな特徴です。
一方、デスクトップモードではマウスとキーボード、またはゲームパッド(コントローラー)を使って操作します。画面上のポインターやキーボードショートカットを組み合わせる従来の操作方法であり、多くの人がすでに慣れ親しんでいるスタイルです。新しい操作を覚える必要がないため、スムーズに始められます。
| 比較項目 | VRモード | デスクトップモード |
|---|---|---|
| 主な入力デバイス | VRヘッドセット+モーションコントローラー | マウス・キーボード・ゲームパッド |
| 視点の操作 | 頭の動きに連動 | マウスやスティックで操作 |
| 操作の直感性 | 高い(体の動きと連動) | 慣れが必要だが習熟しやすい |
| 習得のしやすさ | VR独自の操作に慣れる必要がある | 既存の操作感覚をそのまま活用できる |
2.2 必要な機器・環境の違い
VRモードを楽しむためには、VRヘッドセットが必須です。日本国内で広く使われているものとしては、Meta Quest 3やPlayStation VR2などがあります。PCと接続するタイプのVRヘッドセットの場合は、それに加えてVR対応の高性能なパソコンも必要になります。VRモードは初期投資として機器の購入コストがかかる点を事前に把握しておく必要があります。
デスクトップモードであれば、一般的なパソコンとモニターがあれば動作します。すでに自宅にパソコンがある方なら、追加の機器を用意することなくすぐに始められます。
手軽に始められる環境という点で、デスクトップモードのほうがハードルは低いといえます。
| 比較項目 | VRモード | デスクトップモード |
|---|---|---|
| 必須機器 | VRヘッドセット(+対応PC) | パソコン+モニター |
| 初期費用の目安 | 高め(ヘッドセット代が加わる) | 比較的低め |
| プレイスペース | ある程度の広さが必要 | デスク周りのみで可 |
| PC性能の要求 | 高い(VR対応スペックが必要) | 比較的柔軟(ソフトによる) |
2.3 映像の見え方・没入感の違い
VRモードでは、ヘッドセットを装着することで視野全体に映像が広がり、まるでその世界の中にいるかのような感覚を得られます。頭を動かすと360度にわたって視点が変わるため、現実世界と仮想空間の境界が曖昧になるほどの高い没入感を体験できるのがVRモード最大の特徴です。
デスクトップモードでは、モニター上に映し出された映像を外側から眺める形になります。画面サイズや解像度によって見え方は変わりますが、どれだけ大きなモニターを使っても視野の外には現実の部屋が見えているため、没入感はVRモードには及びません。ただし、目や体への負担が少なく、長時間快適に利用しやすいという面もあります。
| 比較項目 | VRモード | デスクトップモード |
|---|---|---|
| 映像の表示範囲 | 視野全体(360度) | モニターの画面内のみ |
| 没入感 | 非常に高い | 低め |
| VR酔いのリスク | あり(個人差がある) | ほぼなし |
| 長時間利用の快適さ | 疲れやすい傾向がある | 比較的快適 |
2.4 動作の快適さとパフォーマンスの違い
VRモードは、左右の目それぞれに対して高フレームレートの映像をリアルタイムに描画する必要があります。そのため、デスクトップモードよりもパソコンのGPU(グラフィックボード)やCPUに対する負荷が大きく、高いスペックのパソコンが求められます。フレームレートが低下するとVR酔いの原因にもなるため、安定した性能を維持することが特に重要です。
デスクトップモードでは、VRモードほどの高負荷な描画処理が求められないケースが多く、ミドルスペックのパソコンでも多くのコンテンツを快適に楽しめます。ただし、解像度や画質の設定を高くすればその分パソコンへの負荷は上がるため、用途に応じたスペックの見極めは必要です。
| 比較項目 | VRモード | デスクトップモード |
|---|---|---|
| GPU(グラフィックボード)への負荷 | 高い | 比較的低め |
| 必要なフレームレートの目安 | 90fps以上が推奨されることが多い | 60fps前後でも快適な場合が多い |
| 推奨パソコンスペック | 高スペックが必要 | 用途によって幅がある |
| 動作の安定性 | スペック不足で不安定になりやすい | 比較的安定しやすい |
VRモードで快適な体験を実現するには、グラフィックボードや処理速度に余裕のあるパソコンを選ぶことが欠かせません。
デスクトップモードを中心に利用する場合でも、将来的にVRへの移行を検討しているなら、最初から余裕のあるスペックのマシンを選んでおくことが賢明です。
3. VRモードのメリットとデメリット
VRモードには、デスクトップモードにはない独自の強みがあります。一方で、導入や運用にあたっていくつかの課題もあります。
ここでは、VRモードを使う前に知っておきたいメリットとデメリットをそれぞれ詳しく解説します。
3.1 VRモードの主なメリット
VRモードの最大の特徴は、現実とは切り離された没入体験にあります。以下では、VRモードならではの代表的なメリットを順に見ていきましょう。
3.1.1 圧倒的な没入感と臨場感
VRモードでは、VRヘッドセットを装着することで視界全体がバーチャル空間に切り替わります。デスクトップのモニターとは異なり、画面の外側が存在しないため、まるでその空間に実際にいるような感覚を得られるのが最大の強みです。ゲームや動画視聴、バーチャルイベントへの参加など、あらゆるコンテンツで体験の質が大きく向上します。
3.1.2 直感的な操作と身体的な連動
VRモードでは、頭の動きや手の動きがそのままバーチャル空間内の動作に反映されます。コントローラーやハンドトラッキングを使うことで、マウスやキーボードでは再現できない直感的な操作感が実現され、コンテンツへの関わり方がより能動的になります。特にVRゲームやVRトレーニングの分野では、この身体的な連動性が大きなアドバンテージになります。
3.1.3 空間認識・距離感のリアルな再現
VRモードは左右の目それぞれに異なる映像を表示する「立体視(ステレオスコピック)」の仕組みを採用しています。
これにより、奥行きや距離感を現実に近い形で再現できるため、建築・設計・医療・教育など、空間把握が重要な分野での活用が広がっています。
3.1.4 バーチャル空間でのコミュニケーション体験
VRChat(ブイアールチャット)やcluster(クラスター)などのソーシャルVRプラットフォームでは、VRモードで参加することでアバターとの一体感が高まり、相手の動きや表情がよりリアルに感じられるため、オンラインでありながら対面に近いコミュニケーション体験が得られます。
3.2 VRモードの主なデメリット
VRモードは体験の質が高い反面、使用する上でいくつかの課題も伴います。導入前にデメリットをしっかり把握しておくことが大切です。
3.2.1 VR酔い(モーションシックネス)のリスク
VRモードを使用する際に多くの人が経験するのが「VR酔い」です。映像の動きと実際の身体の動きにズレが生じることで、吐き気やめまい、頭痛といった症状が現れることがあり、特に使い始めの段階では長時間の使用が難しいケースも少なくありません。慣れるまで短時間の使用から始めることが推奨されています。
3.2.2 専用機器の購入コストがかかる
VRモードを利用するには、VRヘッドセットが必要です。Meta Quest(メタクエスト)シリーズやPlayStation VR2(プレイステーション VR2)など、代表的な製品でも数万円の費用が発生します。また、PCと接続して使用するタイプのヘッドセットでは、高性能なパソコンも別途必要になるため、トータルの導入コストが高くなりやすい点はデメリットといえます。
3.2.3 PCへの負荷が高く、スペック要件が厳しい
VRモードはデスクトップモードと比べて、グラフィックボード(GPU)やCPUへの負荷が大幅に高まります。これは、左右の目それぞれに高解像度の映像をリアルタイムで描画する必要があるためで、スペックが不足しているパソコンではフレームレートの低下が起きやすく、VR酔いの原因にもなります。快適なVR体験のためには、推奨スペックを満たした高性能PCが不可欠です。
3.2.4 長時間使用による身体的な疲労
VRヘッドセットは頭部に装着するため、長時間の使用では首や目への負担が蓄積しやすくなります。特に高解像度・高フレームレートのコンテンツを長時間体験する場合は、目の疲労や肩こりが生じやすいため、定期的な休憩を挟む使い方が重要です。
3.2.5 設置スペースと物理的な安全性の確保が必要
VRモードでは、体を動かしながらコンテンツを楽しむ場面が多くあります。そのため、周囲の家具や壁にぶつからないよう、ある程度の広さのプレイスペースを確保する必要があり、マンションや一人暮らしの部屋では環境の整備が難しい場合もあります。
以下の表に、VRモードのメリットとデメリットをまとめました。導入前の参考にしてみてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット① | 視界全体が覆われる圧倒的な没入感と臨場感が得られる |
| メリット② | 頭・手の動きと連動した直感的な操作が可能 |
| メリット③ | 立体視による空間認識・奥行き・距離感のリアルな再現 |
| メリット④ | ソーシャルVRでの対面に近いコミュニケーション体験 |
| デメリット① | VR酔い(モーションシックネス)が起きやすい |
| デメリット② | VRヘッドセットの購入コストが発生する |
| デメリット③ | 高性能なPCスペックが必要で動作要件が厳しい |
| デメリット④ | 長時間使用による目・首・肩への身体的疲労 |
| デメリット⑤ | 広いプレイスペースと安全な物理的環境の確保が必要 |
4. デスクトップモードのメリットとデメリット
VRモードと並んで多くのユーザーに利用されているのが、デスクトップモードです。デスクトップモードは、VRヘッドセットを使わずに通常のパソコンのモニターでコンテンツを楽しむ方式です。ここでは、デスクトップモードならではの強みと、逆に気をつけておきたい弱点について、それぞれ詳しく解説していきます。
4.1 デスクトップモードの主なメリット
デスクトップモードには、多くのユーザーにとって使いやすいと感じられる特徴がいくつもあります。それぞれのメリットを順番に見ていきましょう。
4.1.1 専用機器が不要で手軽に始められる
デスクトップモードの最大のメリットのひとつが、VRヘッドセットなどの専用機器を用意しなくても、手持ちのパソコンとモニターだけで利用できる点です。VRヘッドセットは数万円から十数万円程度の費用がかかるものも多く、初期コストが高くなりがちです。一方、デスクトップモードであれば、すでに持っているパソコン環境をそのまま活かすことができるため、導入のハードルが非常に低くなります。
4.1.2 長時間の利用でも身体的な負担が少ない
VRヘッドセットを長時間装着していると、頭や首への物理的な負担や、VR酔いと呼ばれる乗り物酔いに似た不快感が生じることがあります。
デスクトップモードでは通常のモニターを見るだけで操作できるため、長時間使い続けても身体への負担が少なく、VR酔いの心配もほぼありません。
仕事や作業など、長時間集中して取り組む場面では特に大きなメリットになります。
4.1.3 操作が直感的でわかりやすい
デスクトップモードでは、マウスやキーボード、ゲームコントローラーなど、普段から慣れ親しんだデバイスで操作できます。
新たな操作方法を覚える必要がなく、パソコン初心者でもすぐに使いこなせる点は大きな強みです。
VRモードのように空間内での手の動きや視線を使った操作に慣れる必要がないため、直感的にコンテンツを楽しめます。
4.1.4 パソコンへの負荷が比較的低い
VRモードでは、高解像度かつ高フレームレートの映像を両目分レンダリングする必要があるため、GPUやCPUへの負荷が非常に高くなります。
デスクトップモードでは一般的なモニターに映像を出力するだけでよいため、パソコンへの処理負荷が低く抑えられ、スペックが高くないパソコンでも比較的快適に動作します。
これにより、幅広いスペックのパソコンで利用しやすくなっています。
4.1.5 マルチタスクがしやすい
デスクトップモードはパソコンの通常の画面上で動作するため、他のアプリケーションやウィンドウと並行して使いやすく、マルチタスク作業との相性が非常に良いという特徴があります。
たとえば、VRChat(バーチャルチャット)やメタバースのプラットフォームを使いながら、別のウィンドウでメモを取ったり、資料を参照したりすることも容易です。
4.2 デスクトップモードの主なデメリット
一方で、デスクトップモードにはVRモードと比較したときに物足りなさを感じる部分もあります。利用前にデメリットを把握しておくことで、自分に合った使い方を選べるようになります。
4.2.1 没入感がVRモードに比べて大幅に低い
デスクトップモードの最も大きなデメリットは、VRモードのような高い没入感を得られない点です。VRモードでは視野全体が仮想空間に覆われるため、まるでその場にいるかのようなリアルな体験ができます。しかしデスクトップモードでは、モニターという「枠」の中で映像を見ることになるため、現実世界との境界が常に意識されます。ゲームや仮想空間でのコミュニケーションを深く楽しみたいユーザーにとっては、物足りなさを感じることがあるかもしれません。
4.2.2 空間的な操作体験が得られない
VRモードでは、自分の手や体の動きをそのままバーチャル空間に反映できるため、直感的かつ体感的な操作体験が得られます。
デスクトップモードでは、こうした身体を使った空間的なインタラクションを体験することができず、コントローラーやマウスによる間接的な操作に限られます。
特にVRならではの体験を求めている場合には、この点が大きな制約となります。
4.2.3 一部の機能やコンテンツが制限される場合がある
VRを前提として設計されたアプリケーションやゲームの中には、デスクトップモードでは利用できない機能や、体験できないコンテンツが存在する場合があります。
たとえば、VRChat(バーチャルチャット)などのメタバースプラットフォームでも、VRモード限定のギミックやインタラクションが用意されていることがあり、デスクトップモードではその体験が省略されることがあります。
4.2.4 臨場感のあるコンテンツ視聴には不向き
360度動画やVRシアターなどの没入型コンテンツは、VRヘッドセットで視聴することを前提に制作されています。デスクトップモードで同じコンテンツを見ると、平面的な映像として表示されるため、コンテンツ本来の臨場感や迫力を十分に味わうことができません。没入型コンテンツをメインに楽しみたいユーザーには、この点が明確な弱点となります。
4.3 デスクトップモードのメリット・デメリット一覧
ここまでの内容を整理するために、デスクトップモードのメリットとデメリットを以下の表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット① | VRヘッドセット不要で手軽に始められる |
| メリット② | 長時間利用でも身体的負担が少なく、VR酔いの心配がない |
| メリット③ | マウス・キーボードなど慣れた操作デバイスで直感的に使える |
| メリット④ | パソコンへの処理負荷が低く、幅広いスペックで動作しやすい |
| メリット⑤ | 他のアプリと並行したマルチタスク作業がしやすい |
| デメリット① | VRモードに比べて没入感が大幅に低い |
| デメリット② | 身体を使った空間的な操作体験が得られない |
| デメリット③ | 一部のVR専用機能やコンテンツが制限される場合がある |
| デメリット④ | 360度動画など没入型コンテンツの臨場感を十分に味わえない |
このように、デスクトップモードは手軽さや快適さ、コストの低さという点で非常に優れているモードです。一方で、VRならではの没入体験や空間操作を求めるユーザーには物足りなさを感じさせる面もあります。自分が何を優先したいかを明確にしたうえで、VRモードとデスクトップモードのどちらが自分の用途に合っているかを判断することが大切です。
5. VRモードとデスクトップモードはどちらを選ぶべきか
VRモードとデスクトップモードにはそれぞれ明確な特徴があり、どちらが優れているというわけではありません。大切なのは、自分の目的・環境・予算に合ったモードを正しく選ぶことです。ここでは、具体的な状況ごとに最適な選択肢をわかりやすく解説します。
5.1 初心者にはどちらのモードがおすすめか
パソコンやVRの操作に不慣れな初心者の方には、まずデスクトップモードから始めることをおすすめします。デスクトップモードはマウスとキーボード、あるいはゲームコントローラーといった使い慣れた機器で操作できるため、新たに覚えることが少なく、スムーズに使い始められます。
一方、VRモードはヘッドセットの装着方法やコントローラーの操作感覚に慣れるまでに時間がかかります。また、VR酔いと呼ばれる体への負担が生じることもあるため、いきなりVRモードに挑戦するとハードルが高く感じられる場合があります。
まずデスクトップモードでアプリケーションやゲームの内容・操作に慣れてから、VRヘッドセットを導入してVRモードへ移行するという流れが、初心者にとって最も無理のない順番といえます。
5.2 用途別のモード選びのポイント
用途によって最適なモードは異なります。以下の表を参考に、自分のやりたいことに合ったモードを選びましょう。
| 用途 | おすすめのモード | 理由 |
|---|---|---|
| ゲーム(アクション・シューティング) | どちらも可 | デスクトップモードは操作が安定しやすく、VRモードは没入感が高い |
| ゲーム(VR専用タイトル) | VRモード | VR専用コンテンツはVRモードでのみ本来の体験ができる |
| 長時間のプレイや作業 | デスクトップモード | 身体への負担が少なく、疲れにくい |
| VRChat・バーチャルSNSの利用 | VRモード推奨 | 身体的な動きを使ったコミュニケーションができ、臨場感が大幅に向上する |
| 建築・設計・3Dモデルの確認 | VRモード推奨 | 実寸大のスケール感で空間を確認でき、設計ミスの発見に役立つ |
| 映像制作・動画編集・配信 | デスクトップモード | 複数のウィンドウを扱う作業はデスクトップモードの方が効率的 |
| VTuberとしての活動 | どちらも可(用途次第) | トラッキングの質を重視するならVRモード、配信環境の安定性を重視するならデスクトップモード |
| 医療・福祉・リハビリ分野での活用 | VRモード | 仮想空間での体験を通じたトレーニングや訓練に高い効果が期待できる |
このように、用途によって最適なモードははっきりと異なります。どちらか一方に絞らず、用途に応じて使い分けることができる環境を整えることが理想的です。
5.3 VRヘッドセットを持っていない場合の選択肢
VRヘッドセットをまだ持っていない場合は、当然ながらデスクトップモードが唯一の選択肢になります。ただし、将来的にVRモードへ移行することを検討しているのであれば、最初からVR対応に十分なスペックを持つパソコンを選んでおくことが重要です。
VRモードはデスクトップモードと比べてパソコンへの負荷が大きく、グラフィックボード(GPU)やCPU、メモリの性能が不足していると、映像のフレームレートが低下してVR酔いの原因になったり、そもそもVRヘッドセットと接続できないといった問題が起きます。
後からパーツを増設・換装することができるBTOパソコンであれば、現時点ではデスクトップモードを中心に使いながら、将来VRヘッドセットを購入するタイミングでGPUをアップグレードするといった柔軟な対応が可能です。
また、VRヘッドセットには据え置き型のPCVRタイプと、パソコン不要のスタンドアロン型があります。PCVRタイプのヘッドセット(Meta QuestシリーズをPCに接続して使う方法なども含む)を利用する場合は、接続するパソコンのスペックが体験の質に直結するため、パソコン選びの段階からVRを意識したスペック選定が欠かせません。
「将来的にVRも使ってみたい」「今はデスクトップモードで十分だが、スペックは妥協したくない」という方は、用途と予算に合わせてパソコンをオーダーメイドで設計・購入できるサービスを活用するのも賢い選択です。専門スタッフによるヒアリングのもと、初心者でも自分にぴったりの1台を見つけることができます。
6. まとめ
VRモードとデスクトップモードには、それぞれ明確な特徴と向き不向きがあります。VRモードはVRヘッドセットを装着することで高い没入感を得られる一方、専用機器の購入コストや長時間使用による身体的な負担というデメリットもあります。対してデスクトップモードは、手持ちのパソコンとモニターだけで手軽に利用できる反面、VRならではの臨場感は得られません。
結論として、まずVRの世界を気軽に体験したい初心者や、コストを抑えたい方にはデスクトップモードがおすすめです。本格的にVRを楽しみたい方や、没入感を重視したい方はVRモードを選ぶとよいでしょう。どちらのモードを選ぶにしても、快適に動作させるためにはパソコン本体の性能が重要なポイントになります。スペックが不足していると、映像のカクつきや処理の遅延が発生し、せっかくの体験が損なわれてしまいます。
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